【株式評論家の視点】京写は新中期計画に期待、世界トップの片面プリント配線板で飛躍、株価は割安

株式評論家の視点

 京写<6837>(JQS)は、1959年に京友禅の捺染用スクリーン型の製造・販売会社として発足。その技術を活かして1967年にプリント配線板の製造開発に着手、以来今日まで着実に成長を続け、世界一の片面プリント配線板メーカーとして年間540万m2の生産能力を誇っている。2016年3月期に売上高200億円、営業利益率6.0%、ROA(総資産利益率)6.0%目標を目指している。2014年3月期からの3年間は飛躍の準備期間と位置づけ、その目標を達成するための戦略として、環境対応戦略、ボリュームゾーン戦略、グローバル戦略、収益力強化戦略、新規事業戦略の5つを掲げ、事業基盤の強化を図っている。

 16年3月期第3四半期業績実績は、売上高が144億7000万円(前年期比10.1%増)、営業利益が4億7500万円(同34.5%増)、経常利益が4億7900万円(同36.2%減)、純利益が4億8600万円(同13.3%減)に着地。

 通期業績予想は、売上高が190億円(前期比7.5%増)、営業利益が7億円(同23.6%減)、経常利益が7億円(同25.1%減)、純利益が5億8000万円(同15.4%減)を見込む。年間配当は期末一括8円継続を予定している。

 中国経済減速の影響等から、プリント配線板事業は内製の家電製品分野を中心に売上は伸び悩んでいるが、自動車関連分野が引き続き好調に推移し、増収は確保できる見通しで、通期業績予想は計画に沿った数字が見込まれる。

 株価は、1月4日の年初来高値401円から2月12日に年初来の安値235円まで調整を挟んで3月24日高値389円と上昇。上げ一服でモミ合っている。新中期経営計画が打ち出される予定で、2017年3月期回復、増配含みと観測されている。PBR0.71倍と割り負け、今月末に予定される本決算を前に下押す場面があれば、中長期的な視点から、買い妙味は膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る