【編集長の視点】JESCOHDは商い出来ずも25日線水準から連続最高純益・増配をテコにバリュー株買いが増勢気配

編集長の視点

 JESCOホールディングス<1434>(東2)は、まだ商いが成立していないが、25日移動平均線水準では下値にはしっかり買い物が入っており、今年2月4日につけた年初来高値479円を窺う動きを続けている。今8月期業績が、連続して2ケタ増収益、純利益が過去最高を連続更新すると予想され、配当も増配が予定されていることが、背景となっている。国土交通省が、本格導入を進めている高速道路の次世代ETC(自動料金収受システム)「ETC2.0」や東京オリンピックなど大型イベント向けの大型映像装置などでも、大型受注を期待し先取り材料となっている。

■EPC事業の強みを発揮して国内、アセアン地域とも好調に推移

 同社の今2016年8月期業績は、売り上げ90億円(前期比12.0%増)、経常利益4億6200万円(同32.6%増)、純利益3億3700万円(同38.9%増)と連続した2ケタ増収増益を予想、純利益は、前期の過去最高を更新する。配当も、8円(前期実績7円)に増配する。同社は、ベトナムに設立した設計子会社を拠点に基本設計から実施設計業務、施工用の資材調達業務、施工の管理業務までをワンストップで請け負い、短納期・低コストで施工することを強みとするEPC事業を主力事業としている。この強みを発揮して同事業で国内向けに「ETC2.0」のレーン整備工事や高速道路の大規模修繕工事の受注に取り組み、高実績のアセアン向けにはベトナムで大型マンションの電気・空調衛生設備工事などを受注し、さらに総合メディア事業では、サイネージ(電子看板)などの大型映像装置を積極的に売り込むことなどが寄与する。

 なかでも「ETC2.0」のレーン整備工事は、国土交通省が、今春からの「ETC2.0」の本格導入に向け同システムの渋滞情報に従って経路を変更した車両への割引制度を実施しており、急速な普及を背景に通信用アンテナのITSスポットなどの整備需要の拡大が期待され、業績を一段と押し上げる期待を高めている。

■最高値からの調整幅の3分の1戻しをクリアしPER8倍台の割安修正に再発進

 株価は、昨年9月に公開価格540円でIPOされ569円で初値をつけ上場来高値574円まで買い進まれたものの、その後のセカンダリーでは、下値を探る展開が続き、今期第1四半期業績がやや伸び悩んで着地したことから411円安値まで売られた。同安値からは、ベトナムでの受注をテコに年初来高値479円へリバウンドしたが、世界的な株価波乱の波及で上場来安値368円へ突っ込み、下げ過ぎとして25日移動平均線にサポートされて最高値からの調整幅の3分の1戻し水準をクリアしている。PERは8倍台と割安であり、年初来高値抜け、公開価格540円回復、最高値奪回と上昇トレンドを鮮明化しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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