円高の行方を睨みながら2月安値に対する、「二番底」形成の可能性を探る展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

 来週(11~15日)は、円相場を睨みながらの展開で、とくに、日経平均は2カ月前につけた年初来安値1万4865円(場中値・2月12日)を意識した値動きとなりそうだ。

 日経平均が2月安値を下回ることなく下げ止れば、「二番底」となって、ダブル底形成後に急伸したNYダウ型のように反発への期待が膨らむ。その前提は、やはり円高が108円前後で止まるのかどうかである。仮に、100~105円水準へさらに円高が進むようなら2月安値を切る可能性はあるだろう。

 ドル安(円高)はアメリカの輸出関連企業にはプラスだろうが、日本のトヨタなどの主力輸出関連企業にはマイナスである。どこまで、アメリカがドル安を望んでいるのか、見極めは難しいが、4月のFOMCで金利上げがなければ、次のFOMCの6月までドル安傾向は継続する可能性がありそうだ。日銀の追加量的緩和はアメリカの利上げを見守りながら、どこで実施するかということだろう。まだしばらく為替から目が離せない状況といえる。

 4月中旬には3月期決算の発表が始まる。注目の17年3月期については厳しい予想だが、しかし、今回の日経平均の7日連続安で全体としてはかなり織込んできているものとみられる。この意味では日経平均は2月安値に対し二番底を形成しやすくなっているといえる。

 もちろん、個別的には今回のファーストリテイリングのように大幅減益で株価が大きく下げる銘柄は予想される。1部市場で主力株が手掛け難いことからマザーズなど新興系銘柄に引き続き注目が集まり人気が予想されると同時に17年3月期見通しのよい銘柄などには押し目買いが入るものとみられる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る