【編集長の視点】SHIFTはストップ高買い気配、業績上方修正と株式分割の同時発表で直近IPO株人気が増勢

編集長の視点

SHIFT<3697>(東マ)は、寄り付きから買い気配値をアップさせ1000円高の6150円買い気配のストップ高と続急伸、昨年12月25日につけた上場来安値4475円からの底上げを鮮明化している。連休前の9日大引け後に、新規株式公開(IPO)後の初決算となる今8月期第1四半期(1Q)業績の開示に合わせて、今期第2四半期(2Q)累計・通期業績の上方修正と株式分割を同時に発表、直近IPO株人気を高め買い物を集めている。日経平均株価が、前日12日の米国株の続落や円高進行が響いて324円安と急反落してスタートしていることも、逆行高思惑を増幅させている。

■受注環境好調で売り上げが上ぶれ人員育成効果で1Q営業利益は過去最高

今期業績の上方修正は、1Q業績が、好調な受注環境下で売り上げが堅調に推移し、前期採用の人員の育成効果で効率的なサービスの提供が可能となり、営業利益が、8500万円と過去最高となって予想を上回り、上場関連費用も当初予定より減少したことなどが要因となった。2Q業績は、昨年11月13日のIPO時予想より売り上げを7400万円、営業利益を3400万円、経常利益を4500万円、純利益を3600万円それぞれ引き上げた。8月通期業績は、今期下期に採用活動をさらに加速させ、組織活性化への投資活動も優先実施するための費用増を想定し、上方修正幅は、2Q累計業績より縮小する。

8月通期業績は、売り上げをIPO時予想より7400万円、営業利益を900万円、経常利益を2000万円、純利益を2800万円各アップさせ、売り上げ30億4300万円(前期比41.5%増)、営業利益2億9300万円(同2.3倍)、経常利益2億8500万円(同2.2倍)、純利益1億9000万円(同27.3%増)と見込んでいる。

一方、株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げることによりいっそう投資しやすい環境を整え、投資家層の一段の拡大を図ることを目的に、1月31日を基準日に1株を5株に分割する。

■最高値からの調整幅の3分の1戻し目前でリバウンド幅をさらに拡大へ

株価は、公開価格1300円でIPOされ、初日は買い気配のまま推移し2日目に6000円で初値をつけ、3日間の連続ストップ高を交えて上場来高値1万400円まで買い進まれ、公開価格比7.7倍の大化けを演じた。その後の調整した4900円安値からは、リアルワールド<3691>(東マ)との業務提携を歓迎して再度、ストップ高して6220円の戻り高値をつけ、クライドワークス(東京都渋谷区)との業務提携でも5680円と反応高したが、上場来安値4475円まで再調整した。全般相場になお波乱展開が懸念されるなか、最高値から最安値への調整幅の3分の1戻し目前となっており、株式分割の権利取りで直近IPO株人気を高めてさらにリバウンドの拡大を続けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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