【株式評論家の視点】ストリームは優良ネットショップの実力で業績拡大、リバウンド加わり今期も2ケタ増益

株式評論家の視点

 ストリーム<3071>(東マ・100株)は、インターネット通販、各種販売支援事業、化粧品開発・販売事業、オンラインゲーム事業を行っている。

 インターネット通販においては、独自開発したローコスト・オペレーション・システムにより、受発注はもちろん、在庫管理、価格決定、物流に至るまで、インターネット通販にかかる全ての行程を徹底的に効率化、合理化している。オリジナル・サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」を運営しているほか、「楽天市場」「Yahooショッピング」の各モールにも出店。中でも「ECカレント」は、米グーグル社から世界の優良ネットショップとして日本で初めて選ばれた5社に入るなど、日本におけるリーディング・カンパニーとしての位置づけを獲得している。

 各種販売支援事業においては、徹底的に効率化、合理化された同社独自開発のオペレーション・システムは、ローコストによる価格競争力を高めるだけでなく、ワンストップでの管理により、人手による煩雑な作業が圧倒的に少ないことから、インターネット通販の環境を持たない小売業者には販路拡大に大きく貢献している。

 化粧品開発・販売事業においては、昭和39年に株式会社ダイエーの子会社として設立され、広く信頼を得ている老舗の化粧品・健康食品・家庭雑貨会員制販売会社「株式会社エックスワン」を連結子会社とし、インターネット通販に販売チャンネルを広げたほか、最先端のバイオ技術を取り入れたコスメやサプリのオリジナル・シリーズも開発、発売するなど、新規商材の開拓にも尽力している。また、海外からの訪日観光者向けに免税店での対面販売も手掛け、中国をはじめとした日本国外でのマーケット・シェア拡大を図っている。

 オンラインゲーム事業においては、急速な市場拡大とともに劇的な質の向上がみられる中国のオンライン・ゲーム市場に着目し、日本、中国で潜在成長性の見込めるゲーム・コンテンツを輸出入するオンライン・ゲーム事業にも着手しているほか、オンライン・ゲーム事業を入口に、さらなるインターネット市場でのシェア拡大を図っている。

 前2016年1月期業績実績は、売上高が230億1800万円(前の期比13.1%増)、営業利益が3億7500万円(同34.0%増)、経常利益が3億7600万円(同25.1%増)、純利益が3億0400万円(同16.6%増)に着地。

 今17年1月期業績予想は、売上高が256億5100万円(前期比11.4%増)、営業損益が4400万円の黒字(同36.8%増)、経常損益が5億円(同33.0%増)、純利益が3億8800万円(同27.7%増)と2ケタ増収増益の続伸を見込む。

 株価は、1月4日の年初来高値186円から2月10日に年初来の安値113円まで調整を挟んで3月3日高値167円と上昇。4月8日安値128円と下げて切り返す動き。主力のインターネット通販事業において、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」等の外部サイトでの販売が増加しているほか、連結子会社である株式会社エックスワンにおいて、化粧品、健康食品を中心とした生活必需品の会員販売が好調。免税店での店頭販売は、人気のある日本製化粧品の根強いインバウンド需要により、今期も拡大する見通し。前期において、純利益を計上したものの、財務体質の改善並びに今後の成長に向けた投資資金を確保する観点から無配継続を予定しているが、今期予想PER10倍台と割安感がある。上値抵抗線の26週移動平均線を突破できれば、本格的なリバウンド相場入りが期待されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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