【材料で見る株価】アンジェス株価が快進撃、初の遺伝子治療薬登場が接近、そ-せい株価との比較感で上値期待強い

 アンジェス MG<4563>(東マ・100株)の株価が快進撃を続けている。昨年夏8月の186円から上昇に転じ、今年4月12日には825円の高値をつけ約8カ月間で約4.4倍の上昇だ。

 背景には、日本初となる遺伝子治療薬の登場が近づいていることがある。2014年11月に施行された、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」によって導入された再生医療品等製品の早期実用化を目指した承認制度という、「国策」がエンジンとなっている。先行した、「iPS細胞」が、やや足踏み感を強めているのとは対照的に遺伝子治療薬が実用化の時代を向かえようとしている。

 iPS細胞が、ガン発生の可能性を抱えているといわれるのに対し、遺伝子治療薬はガン発症の危険性がないといわれる。同社・山田英社長へのインタビューを交えて遺伝子治療薬と株価を取り上げた。

――遺伝子治療薬の開発の現状は。

【山田社長】重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療薬の開発については、海外では国際共同第Ⅲ相臨床試験を進めている。既に、米FDAからFast Trackの指定を取得している。田辺三菱製薬との間で米国における抹消性血管疾患を対象とした独占的販売権契を締結している(2012年10月)。

――国内での状況は。

【山田社長】国内では条件及び期限付承認制度を活用して承認申請を行う計画である。大阪大学が主導する医師主導型臨床試験が2014年10月から1例目の被験者への投与が大阪大学医学部付属病院において開始された。今年3月には徳島大学病院でも開始された。その他の施設でも順次候補患者の選定が進められている。全体で6例の計画で、あと4例が予定されている。早期実用化の医師主導型の臨床試験のためわれわれが介入することはできないが、好結果を期待している。

――重症虚血肢の患者数はどのていどか。

【山田社長】軽度から重度まで全体では推定数万人とみられる。重症虚血肢は全体の約10%の5000人と推定される。先ず、重症虚血肢が対象だが、軽度、中度の患者を予防すれば重症化を防ぐことができる。予防を含めると市場規模としては1000~1500億円と推定される。

――カテーテルへHGF遺伝子治療薬を用いることが進んでいるようだが。

【山田社長】メディキッドとの間で共同開発販売権供与の契約を結んでいる。メディキッドはPTAバルーンカテーテルに薬剤(HGF遺伝子治療薬)を塗布することで血管再狭窄を予防することができる。ホソカワミクロンのコーティング技術も用いられている。

――バルーンということは心臓が対象。

【山田社長】今回のメディキッドが対象としているのは、人工透析患者のシャント(透析の血液量確保のために腕に動脈と静脈を結合する)の狭窄を防ぐものである。現在、透析患者は約30万人といわれ、そのうち約5万人が血管狭窄になると推定されている。かなりの需要となるだろう。

――HGF遺伝子治療薬は、将来、いろいろな分野へ使われる可能性は。

【山田社長】先行き、末梢血管の治療に応用が拡がると思う。

 今12月期はまだ赤字見通しだが、新株予約権払い込みで資金が充足されたことで経営に安定度が増し経費削減等にも取り組み赤字幅を縮小させる。今年から来年にはHGF遺伝子治療薬の申請が予想され、その後の業績は一気に向上する見通しだ。アトピー性皮膚炎の登場も近い。

 マーケットでは、バイオ銘柄を数少ない国策テーマ株と位置づけ、今後も根強い人気が予想される。短期的には、信用取引規制、新株予約権払い込みなどで株価一服が予想されるが、中期では依然、高人気が予想される。「株価2万円と高人気のそーせい・グループ(4565)が海外技術導入型に対し、同社は自前の日本発の遺伝子薬品技術で、この点に対する評価が高まるだろう」(国内証券)と、割安感を指摘する声も強く、遠くないタイミングで4ケタ乗せとなるだろう。

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