【編集長の視点】エボラブルアジアは初決算の連続最高業績に民泊関連の新サービスがオンして続急伸

編集長の視点

 エボラブルアジア<6191>(東マ)は、寄り付きの買い気配から280円高の3680円まで買い進まれて続急伸している。同社株は、今年3月31日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、IPO後の初決算となる今9月期業績が、2ケタの増収増益で連続過去最高更新と予想され、月次取扱高も2ケタ増と続伸し、通期計画取扱高に対して順調な進捗率を示していることを見直し直近IPO株買いが増勢となっている。

 加えて主力のオンライン旅行事業の好調推移に加え、多角化部門のITオフショア開発事業での事業提携、訪日旅行事業での新規サービス開始など好材料が相次いでいることも、引き続きフォロー材料となっている。

■業界トップのオンライン旅行事業の取扱高は創業時から35倍超増と高成長

 同社の今9月期業績は、売り上げ36億6900万円(前期比33.2%増)、営業利益4億8100万円(同54.2%増)、経常利益4億4900万円(同47.2%増)、純利益2億7000万円(同57.0%増)と大きく伸び、2011年9月期から5年で売り上げが5倍以上、営業利益は20倍以上と高成長が予想されている。

 格安航空会社(LC)を含む国内線航空会社の航空権をインターネットで販売するオンライン旅行業の取扱高が、創業時の2008年3月期の5億9000万円から今9月期予想の225億円へ35倍以上となるスケールメリットによる利益率の向上に、ストックビジネスである顧客企業の出張に関する移動・宿泊などを手配するBTMクラウドサービス「旅ProーBTM」やベトナムで展開しているITオフショア開発事業がいずれも損益分岐点を超えたことが加わり、広告施策を効率化していることなどが寄与する。なお今年4月11日に発表した今年3月度の取扱高は、前年比35%増の23億円超と続伸し、累計取扱高も、通期計画高に対して52%超と順調に推移した。

 今後についても、オンライン旅行(OTA)事業は、2015年度に2兆5000億円規模と年率26%の高成長し、昨年10月には年率71.5%の成長率で3兆5000円規模に拡大した訪日旅行事業にも進出、2020年には総合OTAトップとして取扱高1000億円突破を目指しているだけに、業績の高変貌も期待
される。またITオフショア開発事業では、口コミ旅行サイト運営のフォートラベル(東京都渋谷区)と提携し、訪日旅行事業では、前日20日に「民泊」運営企業向けの新規サービスとしてOEMコンテンツの提供を開始すると発表したことも、成長可能性を高めると評価されている。

■インバウンド関連株人気も加わり「半値戻しは全値戻し」で最高値奪回に弾み

 株価は、公開価格1800円に対して2670円で初値をつけ即3170円とストップ高して上場来安値2463円と売られたが、IPO2日目のストップ高を交えて上場来高値3935円まで買い進まれ、最安値比約60%高した。この高人気の反動で2731円と調整したが、3月度取扱高の大幅増を評価して再騰、前日20日の「民泊」関連人気でのストップ高を交えて最高値からの調整幅の半値戻しをクリアした。前日大引け後に日本政府観光局が発表した3月の訪日外客数が、前年同月比31.7%増と続伸、単月として200万人を超え過去最高を更新したことも、インバウンド(外国人観光客)関連人気も高め、「半値戻しは全値戻し」の相場格言通り最高値奪回から一段の上値チャレンジを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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