【編集長の視点】アートグリーンは商い出来ずも連続最高純益を見直して内需系割安株買いが増勢気配

編集長の視点

 アートグリーン<3419>(名セ)は9時40分現在、商いが成立し様子見モードでスタートしている。ただ、同社の今10月期純利益が、連続して過去最高更新と予想されていることを見直し、内需関連の割安株買いが一段と増勢となる気配は強めている。とくにテクニカル的に、昨年12月18日の新規株式公開(IPO)時の公開価格420円を下限にした2カ月にわたる小幅ボックス圏の上限を上抜けてきており、IPO時人気の再燃を示唆しているとも評価されている。

■フラワービジネス支援事業ではオリジナル・カタログを作成し営業強化

 同社の今10月期業績は、売り上げ18億1200万円(前期比7.4%増)、営業利益8600万円(同46.0%増)、経常利益7800万円(同35.4%増)、純利益5000万円(同11.4%増)と2期連続の2ケタ増収増益と予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。同社は、胡蝶蘭を中心としてフラワービジネス支援事業、ナーセリー支援事業、フューネラル事業の3事業を展開しており、フラワービジネス支援事業では、既存取引先への販売強化策として各社オリジナルのギフトカタログを作製して営業提案を強化して、法人贈答用の受注が増加し、ナーセリー支援事業では、苗の販売先の生産拡大により胡蝶蘭苗の取扱高が増加、フューネラル事業では、葬祭事業者向けの切花の販売が堅調に推移し、生産農家と提携して胡蝶蘭の自社生産でも生産効率を向上させ原価を低減していることなどが要因となる。

 なおIPO後の初決算として今年3月4日に発表した今期第1四半期業績は、売り上げ4億1000万円、営業利益900万円、経常利益100万円の赤字、純利益200万円の赤字で着地した。四半期決算が初作成となるため前年同期比較はないが、売り上げは増加、営業利益は当初予算の9割以上を確保して、IPO関連費用の1185万円を吸収しており、通期業績は、IPO時予想を据え置いた。

■PER10倍の割安修正でボックス上放れ、上昇トレンド転換を鮮明化しまず初値奪回

 株価は、公開価格420円でIPOされ、614円で初値をつけ上場来高値664円まで買い上げられる高人気となったあと、4カ月にわたりボックス推移を続けてきた。この往来圏は、前半2カ月では、今年1月の583円を上限とする100円超幅の往来、後半は公開価格を下限に490円を上限とする70円幅と小幅化し、売買高を漸増させ上限を突破し上放れ気配を強めている。PERはなお10倍台と割り負けており、上昇トレンド転換を鮮明化し初値奪回から最高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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