【材料でみる株価】ユーグレナなどが設立のリアルテックファンドへさらにJRなどが参加、計23社で75億円規模、ベンチャー株人気盛り上がり効果に注目

材料でみる株価

 ユーグレナ<2931>(東1・100株)は、2日、100%子会社のユーグレナインベストメントがSMBC日興証券、リオパネスと運用する、「リアルテックファンド」に新たに6社の出資者が加わり、参加企業は計23社、ファンド総額が75億円になったと発表した。直ちに、ユーグレナの株価に効果を及ぼすものとは思われないが、リアルテックに対するマーケットでの関心がいっそう高まることでミドリムシの技術を持つ同社株の見直しに繋がることが予想される。

 リアルテックとは、「地球と人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジー。たとえば、ロボステクス、エレクトロニクス、バイオ、アグリ、エネルギー、新素材、航空宇宙、ビッグデータ、AI、IoTなどである」(同社)。

 リアルテックファンドは2015年4月にユーグレナインベストメント、SMBC日興証券、リバネスの3社で設立。既に、この1年間で9社のリアルテックベンチャーに投資を実施しているという。さらに、各分野のエキスパート企業との連携を強化しリアルベンチャーへの支援を強化していく。JT、三井不動産、THK、東洋アルミ、ロート製薬などの既存参加企業に今回、新たに第一生命、CQベンチャー、JR東日本、ユニシス、JCU、東洋紡など6社が加わり、ファンド参加企業は23社となった。民間事業会社のみで構成された日本最大の技術特化ファンドと位置づけることができる。

 一方、ユーグレナ自身も大学発のバイオベンチャーであり、起業時の資金的な苦労等を知っている。『ミドリムシ』(ユーグレナ)を機能性食品として開発、社会的な認知も得られるようになっている。さらに、ミドリムシをディーゼル車の燃料、ジェット機の燃料用に実用化を研究を進めている。ANA、いすず自動車、千代田化工、横浜市、伊藤忠エネクスなどと共同でジェット機用燃料実用化を目指している。

 株価は2015年2月に2177円まで上伸後はやや人気圏外の動き。しかし、15年8月の1250円と16年2月の1406円で底は打っており足元では出番に備えたモミ合いといえる。夏から秋相場では材料系銘柄が動きやすい地合いだけに1500円前後は仕込んで待つのがよさそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る