【宮田修 アナウンサー神主のため息】時代遅れ万歳!

宮田修

 私はマスコミで長く仕事をしてきたので、周囲の人は時代の最先端を歩いてきたと誤解している人が多いようです。自身ではまったく正反対だと思っています。例えばアナウンサーの現役時代、パソコンに触ったことがありませんでした。仕事に使いなさいと一人一人にパソコンが貸与されたのですが、私は渡されると有難うと一言言ってそのままロッカーにしまってしまいました。一度も使ったことがありませんでした。「アナウンサーは喋るのが仕事だ。パソコンに向かう暇があったら発声練習しなさい。」と後輩たちには言っておりました。言われた後輩諸君、今更遅いですがごめんなさいと謝ります。

 何か連絡があるとメールとやらで来ると言われましたが、俺は一切見ないから直接言いなさいと嘯いていました。扱いにくい職員だったのでしょう。定年までまったく変えることなくそれで通しました。しかし、それによって困ったことはまったくありませんでした。今考えれば周囲に呆れられた見事な時代遅れの人間でした。

 定年を過ぎて最近は暇ですのでパソコンを始めました。教室に通い少しできるようになりました。使ってみれば実に便利です。メールや原稿を書く時に使っています。添付フャイルで文書が送れるようになったときはこれまでにない自分になれたと感動しました。パソコン教室の先生が実に辛抱強く教えてくれたお蔭です。感謝しています。この他、年賀状の印刷もこなします。稀にインターネットを覗くこともあります。どこか遠くに出かける時、電車の時刻表を調べるには誠に便利です。飛行機の予約も簡単にできます。また周囲の人は「宮田修」で検索するとたくさん記事が出ていますよと教えてくれますが、見たことはありません。自分のことがどう書かれているかなどまったく関心がないからです。私は私ですから。パソコンとはこの程度のお付き合いです。人はさまざまな機能があると盛んに言ってくれますが、面倒くさいのでこの他は覚える気も起りません。

 例によってくどくどと書き記しました。私は確かに時代の先端を行くというパソコンを始めました。しかし画面に向かいながら依然としてこんなに便利で良いのだろうかいう疑問を拭うことができないでいるのです。皆さん便利すぎるとはおもいませんか。パソコンだけではありません。最近さまざまなものが便利になりました。先日外国人の友人と話をしていたら彼が写真を撮ろうと言うのです。カメラではなくスマホです。写真は本来カメラで撮る物なのですが、最近はほとんどスマホです。変ですね。パチリとした直後、彼が変なことを言うのです。今撮った写真を自分の親に送りましたと言うのです。彼の親は海外にいます。その時私は驚いてしまいました。でも後で訊ねたらそんなことは常識で知らなかったのは私だけだったようです。誠に恥ずかしい思いをしてしまいました。でも私の疑問は残ります。外国にまで一瞬の内に映像まで届いてしまって良いのでしょうか。届かない方が遠い外国に相応しいのと思ってしまうからです。でもやはり私は、時代遅れなのでしょう。最近開き直ることにしました。時代遅れ万歳!私はこの道を行く!そう決めました(宮田修=千葉県長南町の宮司、元NHKアナウンサー)。

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