【業績でみる株価】建設技研は今12月期の減益は織込み済み、低PER、熊本地震復興関連で注目

業績でみる株価

 建設技術研究所<9621>(東1・100株)は2016年12月期・第1四半期決算を発表、人件費負担増加などで営業赤字となったが小幅、通期の営業利益24億円(前期比7.6%減)は達成の見通し。配当年20円(期末一括)、EPS113.1円の見通し。株価は年初来高値(1240円=1月と同安値(832円=3月)の中間値(1036円)近辺で底堅く推移している。九州熊本地震の復旧・復興に関連した銘柄として注目されそうだ。

 第1四半期(1~3月)は売上が前年同期比3.7%減の75億2100万円、営業赤字4300万円(前年同期黒字1億9200万円)だった。通期では期初予想通りの売上5.7%増の425億円、営業利益7.6%減の24億円の見通し。

 建設コンサルタントの大手で事業環境は明るい。公共投資が底堅く推移、技術者単価の3年連続上昇、調査・設計業務の積算基準も改善されている。海外子会社の、「建設技研インターナショナル」はフィリピンで上下水道の大型受注に成功。土地区画整理を主なマーケットとする子会社「福岡都市技術」は、東北の震災復興に加え、今回の熊本地震の復興需要も期待される。さらに、子会社の地圏総合コンサルタントはリニア新幹線関連の地質調査で大型物件を受注している。さらに、子会社に、「環境総合リサーチ」と、「日総建」を加え、環境モニタリング・解析、建築設計分野を強化していく。今期はこれらの立上げ負担で利益を圧迫するが、先行き見通しは明るいといえる。

 株価は今後、東北、九州の復興関連として注目度を高めてくるものとみられる。少し長いチャートでみれば14年10月の1942円からの調整相場が続いているが、先の安値832円(3月1日)は高値から57%下げたことと、利回り2.4%、PERも7.3倍まで低下したことで大底を打ったとみられる。

 熊本復興関連としての期待と人気はまだ株価に織込んでいないとみられることから足元の900円台は注目といえる。人気次第では14年高値(1942円)奪回が期待できるだろう。

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