【編集長の視点】ヨシムラ・フード・ホールディングスは連続最高業績を見直し下げ過ぎ直近IPO株買いが再燃し反発

編集長の視点

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東マ)は、18円高の1040円と4営業日ぶりに反発して始まっている。今年3月4日の新規株式公開(IPO)後の初決算として4月14日に発表した2月期決算で、前期に続き今期も最高業績更新を予想したことを見直し、下げ過ぎとして直近IPO株買いが再燃している。一部国内証券が、同社株の投資判断を最上位の「A」、目標株価を1350円として新規にカバーを開始したことも、フォローの材料視されている。

■楽陽食品のチルド餃子の販売増に高利益率のダイショウの販売エリア拡大が上乗せ

 同社のIPO後の初決算となった前2016年2月期業績は、IPO時予想をやや上ぶれ前々期比12.8%増収、48.9%営業増益、38.3%経常増益、99.2%純益増益で着地し、過去最高を更新した。同社は、優れた商品や技術力を持ちながら成長できない日本の中小食品企業を再活性化する中小企業支援プラットフォームを展開し、合計8社をM&Aしてグループ化しており、チルド餃子事業に本格参入した楽陽食品が、秩父工場に餃子専用の製造ラインを設置して販売を強化、関東地区でチルド餃子の売り上げが大きく伸びたほか、昨年2月にグループ入りしたマグロ加工品製造の雄北水産がフル寄与し、円安による原材料価格高騰に対しては適正な販売価格への見直しを実施し、生産性向上による原価率の低減を図ったことなどが要因となった。純利益は、土地収用補償金5億1000万円を特別利益に計上したことで大幅増益となった。

 続く今2017年2月期業績は、売り上げ132億5000万円(前期比3.2%増)、営業利益3億7100万円(同13.2%増)、経常利益3億6200万円(同10.7%増)、純利益2億2200万円(同51.8%減)と予想している。純利益は、前期計上の特別利益が一巡して減益転換するが、売り上げやそのほかの利益は連続して過去最高を更新する。引き続き楽陽食品のチルド餃子の販売が増加して牽引し、ピーナッツバターを製造する利益率の高いにダイショウが販売エリアを拡大させてさらに利益貢献度を高めることなどが寄与する。

■最高値からの調整幅3分の1戻し水準を固め半値戻し、全値戻しへとリバウンド幅拡大

 株価は、公開価格880円に対して1350円で初値をつけ、これが上場来高値となって下値を探る展開が続き、公開価格目前の上場来安値892円から今期業績の連続最高更新予想で底上げ、最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻し水準の1000円台を出没する中段固めを続けてきた。PER評価では今期純利益の減益転換予想で18倍台と割安感は小さいが、実質の連続最高業績や国内証券の最高位格付けなどを手掛かりに、なお下げ過ぎを訂正、半値戻し、全値戻しとリバウンド幅も拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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