トーソーの今期17年3月期は、水害の影響を受けた前期とは一転して、増収大幅増益を見込む

■販売価格の改定と訪日外国人客向けの宿泊施設の増加等が収益に貢献

 カーテンレールで業界トップのトーソー<5956>(東2)の今期17年3月期は、水害の影響を受けた前期とは一転して、増収大幅増益を見込む。

 前期16年3月期は、9月の関東・東北豪雨の影響による鬼怒川決壊により、協力工場の一部の生産設備及び資材が冠水する被害を受けた影響から、売上高221億12百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益5億94百万円(同24.5%減)、経常利益5億84百万円(同25.4%減)、純利益3億12百万円(同9.5%減)となった。

 主力の室内装飾関連事業は、住宅市場の回復の遅れや水害による販売機会の喪失もあり、売上高217億76百万円(同1.7%減)、セグメント利益5億85百万円(同26.2%減)であった。

 その他の事業では、ステッキを中心とした介護関連用品の販売活動を強化したこともあり、売上高3億35百万円(同8.3%増)、セグメント利益08百万円(前年同期△06百万円)と増収増益で黒字転換となった。

 今期17年3月期については、売上は増加すると見込んでおり、前期並みの原価率、固定費から算出すると大幅増益を見込んでいる。また、販売価格の改定と、訪日外国人客向けの宿泊施設の増加、東京オリンピック向けホテル需要も収益に貢献すると見ている。その結果、売上高230億円(前期比4.0%増)、営業利益9億円(同51.5%増)、経常利益8億80百万円(同50.5%増)、純利益5億50百万円(同76.1%増)を見込んでいる。最終利益の伸びが大きいのは、前期の特損が今期は消えるため。

 決算発表が11日の13時40分と場中であったことから、今期大幅増益予想に反応し、株価は一時前日比28円高の500円と急反発した。引け値は、478円であった。

 引け値ベースで弾く株価指標は、PER(予想)9.13倍、PBR(実績)0.46倍、配当利回り2.0%。株価は1月に付けた年初来安値463円の近辺であることから、今後の反発が予想される。

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