アルコニックスの今期17年3月期は新しく加わったマークテック、平和金属、東海溶業の3社が期を通して貢献

■今期は増収、営業・経常利益共に増益を見込むが、最終利益は前期の負ののれん代の影響で減益予想

 アルコニックス<3036>(東1)の今期17年3月期は増収を見込むことから、営業利益、経常利益は増益を予想しているが、最終利益は前期の負ののれん代の影響で、減益を見込んでいる。しかし、負ののれん代の影響を除くと1億円ほどの増益といえる。

 17年3月期連結業績予想は、売上高2200億円(前期比9.0%増)、営業利益42億50百万円(同12.1%増)、経常利益44億円(同2.8%増)、純利益31億円(同37.7%減)を見込む。

 通期の見通しの背景は、スマホ、タブレット端末の成長スピードは鈍化し、また中国経済の減速長期化で国内外の生産、輸出が停滞すると見ている。但し、当社の場合は新しく連結子会社として加わったマークテック、平和金属、東海溶業が期を通して貢献することから、増収増益の見通しである。ただし、純利益については、前期に平和金属の株式取得にともなる負ののれん19億75百万円を特別利益に計上した影響で減益を見込む。
 また、レアメタル、レアアースの取扱は供給過剰と市況低迷により足踏み状態が続くと見ている。

■新たに加わった連結子会社の売上高がカバーすることで増収を見込む

 売上高は、前期比で182億44百万円増加するが、平和金属、マークテックの新たな上乗せされる部分がこれを上回っている。非鉄原料、スクラップの取扱高に若干マイナス要素があるが、新たに加わった連結子会社の売上高がカバーすることで増収を見込む。
 売上総利益は前期比28億18百万円の増益を見込んでいる。新たに連結に貢献する3社の増加分が28億円であるので、増益分はほぼこの3社の貢献と見ている。
 一方で、販管費がこの3社で約25億円増加すると見ている。全体で23億61百万円増加するので、他の部分が若干減少する。
 この結果、営業利益は前期より4億57百万円増加する。
 経常利益は営業外損益が昨年あった為替差益、配当、保険解約等の営業外利益が減少することで、約3億円の利益が減少するが、前期比1億18百万円増の44億円を見込む。
 純利益については、負ののれん代19億75百万円が今期は消えることから、前期比18億77百万円減の31億円を見込む。負ののれん代の影響がなければ約1億円の増益といえる。

■非鉄原料は、減収ながら増益を見込む

 セグメント別の通期予想では、軽金属・銅製品は、平和金属のフル連結の貢献が大きく増収を見込むが、利益面はアルミ・銅関連の市況低迷が影響し、若干の減益を見込む。その結果、売上高970億円(前期比11.5%増)、セグメント利益25億円(同2.8%減)を見込む。

 電子・機能材は米国Univerticalの業績回復とマークテックの業績取込みで増収増益を見込む。売上高880億円(前期比26.1%増)、セグメント利益16億円(同6.8%増)。

 非鉄原料は、主力のアルミ再生塊の頭打ち並びにアルミ銅センターのスクラップ取扱い減少により、減収、利益面では昨年度の市況下落によるマイナス面がなくなることが見込まれることから今期は増益を見込む。その結果、売上高230億円(前期比29.3%減)、セグメント利益1億円(同103.1%増)と大幅減収ながら、大幅増益を見込む。

 建設・産業資材は、昨年7月に連結子会社化した東海溶業が今期よりフル連結による業績取込みと配管機材の海外取引増加で、低迷する国内向け配管材料の取扱減をカバーし増益を見込んでいる。売上高は、120億(同3.4%減)、セグメント利益2億円(同20.4%増)と見ている。

■今期よりセグメントを変更

 決算の発表と同時に、今期よりセグメントの変更することも発表した。製造業の子会社5社、連結子会社8社の合わせた経常利益が全体の約49%、今期は50%を超える見通し。従って、単なる商社ではないということで、今回セグメントを大きく商社流通と製造の2つに分ける。
 商社流通の内訳は、電子・機能材(アルコニックス、AMJ、海外法人)、アルミ・銅(アルコニックス、アルコニックス三伸、林金属、アルコニックス・三高、平和金属、アルミ銅センター、海外法人)。
 製造の内訳は、金属加工(大川電機製作所、大羽精研)、装置・材料(Univertical LLC、マークテック、東海溶業)となる。

 決算発表後の翌営業日の株価は、54円安の1,493円で引けた。株価指標は、PER(予)6.2倍、PBR(実績)0.65倍、配当利回り2.95%と割安歴然。

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