【編集長の視点】アグレ都市デザインは連続最高業績と連続増配を手掛かりに内需系割安株買いが再燃して反発

 アグレ都市デザイン<3467>(JQS)は、20円高の2730円と反発して始まり、今年4月7日につけた上場来安値2206円からの底上げに拍車を掛けている。ただ高値後は、日経平均株価が、167円安と6営業日ぶりに反落してスタートしたことも波及し、65円安と下ぶれ利益確定売りも交錯しもみ合っている。今年5月9日に発表した今年3月の新規株式公開(IPO)の初決算となった前2016年3月期業績が、IPO時予想を上ぶれて着地し配当も増配、続く今2017年3月期業績も、連続の過去最高更新と増配を予想しており、これを手掛かりに内需関連の割安株買いが再燃している。今月6月15日~16日に開催予定の日銀の金融政策決定会合で追加緩和策が決定されると観測されていることも、フォロー材料視されている。

■自社ブランド住宅「アグレシオ・シリーズ」が好調に推移し配当は105円に連続増配

 同社の前3月期業績は、IPO時予想を売り上げが2億3900万円、利益が3700万円~5600万円それぞれ上ぶれて着地し、続く今2017年3月期業績は、売り上げ114億6900万円(前期比32.5%増)、営業利益6億1200万円(同15.2%増)、経常利益5億円(同18.1%増)、純利益3億3600万円(同16.5%増)と2ケタ続伸を見込み連続して過去最高を更新する。戸建販売事業で首都圏を中心に展開している自社ブランド住宅「アグレシオ・シリーズ」が、前期に土地分譲19区画を含めて154棟とIPO時計画を上回っており、今期は、昨年9月に新規開設したたまプラーザ支店(神奈川県横浜市)のフル寄与や商品訴求力の一段の強化、販売手法のブラッシュアップなどが要因となるもので、事業環境も日銀のマイナス金利導入に伴う住宅ローン金利の低下がフォローとなる。

 配当は、前期業績がIPO時予想を上ぶれたことから配当性向を30%とする利益還元方針に基づき、初配当をIPO時予想の80円から90円に増配したが、今期はさらに105円へと大幅な連続増配を予定している。

■PER7倍台、配当利回り3.8%の超割安修正で一段の戻りにトライ

 株価は、公開価格1730円に対して初値を3505円でつけ上場来高値3700円まで買い上げられるなど高人気化したが、その後の全般相場の相次ぐ波乱が響き、配当権利落ちも重なって上場来安値2206円まで調整した。同安値からは前期業績の上ぶれ着地・増配、今期業績の連続過去最高更新・増配予想で底上げ、2870円の戻り高値をつけ、足元では最高値からの調整幅の3分の1戻し水準を固めている。PERは7倍台、配当利回りは3.84%と超割安であり、戻り高値抜けから最高値奪回を視野に入れ上昇トレンド回帰を鮮明化しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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