ティムコは水準切り下げたが、低PBRや16年11月期収益改善基調を見直し

 ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。16年11月期は大幅増益予想である。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、0.2倍近辺の低PBRや収益改善基調を見直す動きが期待される。なお7月13日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。15年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が31.5%、アウトドア事業が67.4%、その他(不動産賃貸収入など)が1.1%だった。

 オリジナルアウトドア衣料ブランドである「Foxfire(フォックスファイヤー)」の商品力強化や、直営店舗「Foxfire Store(フォックスファイヤーストア)」の収益力向上に取り組んでいる。

■15年11月期は減損損失計上

 15年11月期は消費マインド低迷、商品納期遅延発生、在庫商品値引き販売などで減収減益だった。差引売上総利益率は45.8%で14年11月期比0.2ポイント上昇、販管費比率は45.0%で同0.2ポイント上昇した。特別損失に本社および商品センター等の土地・建物等の有形固定資産等について減損損失13億96百万円を計上したため純利益は赤字だった。自己資本比率は82.8%で同3.7ポイント低下した。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(12月~2月)6億31百万円、第2四半期(3月~5月)7億62百万円、第3四半期(6月~8月)6億75百万円、第4四半期(9月~11月)7億69百万円、営業利益は第1四半期31百万円の赤字、第2四半期33百万円、第3四半期14百万円の赤字、第4四半期35百万円だった。

■16年11月期第1四半期は増収で赤字縮小

 今期(16年11月期)第1四半期(12月~2月)の非連結業績は、売上高が前年同期比5.0%増の6億63百万円、営業利益が27百万円の赤字(前年同期は31百万円の赤字)、経常利益が24百万円の赤字(同30百万円の赤字)、純利益が21百万円の赤字(同24百万円の赤字)だった。

 個人消費低迷などで厳しい事業環境だったが、積極的な営業活動で増収となり、各利益とも赤字が縮小した。差引売上総利益は同1.0%増加し、差引売上総利益率は43.5%で同1.7ポイント低下した。販管費は同0.3%減少し、販管費比率は47.7%で同2.5ポイント低下した。営業外では為替差益が増加(前期0百万円計上、今期1百万円計上)した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同2.7%増の1億96百万円、営業利益が同4.2倍の16百万円だった。ルアー用品の仕入遅延を改善し、フライ用品の新製品投入も寄与して増収となった。利益面では経費削減も寄与した。アウトドア事業は売上高が同6.0%増の4億58百万円だが、営業利益が同43.3%減の10百万円だった。暖冬の影響で冬物商品の早期マークダウン(値引き販売)を行ったため大幅減益だった。その他は売上高が同9.8%増の7百万円、営業利益が同4.4%増の6百万円だった。

■16年11月期通期は大幅増益予想で収益改善基調

 今期(16年11月期)通期の非連結業績予想(1月19日公表)は、売上高が前期(15年11月期)比5.0%増の29億80百万円、営業利益が同2.1倍の49百万円、経常利益が同70.6%増の52百万円、純利益が41百万円(前期は14億83百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は72.5%となる。

 基本戦略としては規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益性向上に努める方針としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して収益改善基調が期待される。

■株主優待制度は毎年11月末に実施

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として実施している。優待内容は、100株以上~1000株未満保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券1枚、1000株以上保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券2枚贈呈する。株主優待券利用対象店舗は直営店(会社ホームページを参照)となる。

■株価は水準を切り下げたが収益改善基調を見直し

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して480円近辺でのモミ合いから下放れの形となり水準を切り下げた。6月17日の終値460円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS16円56銭で算出)は27~28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1989円07銭で算出)は0.2倍近辺である。時価総額は約15億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となってモミ合い下放れたが、安値圏の下ヒゲで調整一巡感を強めている。0.2倍近辺の低PBRや収益改善基調を見直す動きが期待される。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る