ヨコレイ:生産から加工・販売、サーモン事業で垂直統合モデル完成

■ノルウェーサーモン事業のビジョン~アライアンスシーフーズ社

 冷蔵倉庫大手ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、連結子会社であるアライアンスシーフーズ(ASF社)が、ノルウェーに本社を置くホフセス社(Hofseth International AS)と共同で同国内に養殖場7.17ライセンス保有する有力養殖事業会社Fjordlaks Aqua AS(FA社)の全株式取得と発表したが、ASF社は7月5日、ホフセス社グループとのこれまでの経過並びに今後のノルウェー事業のビジョンについて説明を行った。

 業務提携したホフセスグループは、ノルウェー中西部の港町に本社を置く同国の大手水産加工会社で、主に同国産アトランティックサーモンを原料とし、ポーションカット・フィーレ・燻製商品として北米・欧州向けに販売している。

 ASF社は、昨年8月にホフセス社の株式(シェア3.9%)を取得したことでホフセスグループの製品、原料を日本向けに独占購入できる関係を築き、その結果、アトランティックサーモン・ポーションの3国間貿易(米・加・独・スウェーデンの大手量販店)、アトランハラスの日本向け独占販売が可能となった。

 来月となる8月からはフレッシュ(トラウト、サーモン)を米・英量販店向け販売を開始する予定だという。

 今年3月、ノルウェーの水産品加工場を3か所運営するSyvde Eiendom AS社の全株式を取得し、サーモン事業を展開する3工場(シーフードファーマーズ工場、ホフセスシブデ工場、ホフセスオーレスン工場)合計加工能力85,000t/年、を傘下に収めた。ノルウェー事業を拡大するとともに競争力を圧倒的に強化、安定した配当利益を確保した。

■ノルウェー事業、ヨコレイ食品販売事業を牽引

 同社の岩渕文雄社長(写真)は「ノルウェーサーモンの養殖事業のFA社を傘下にしたことでノルウェーサーモン事業は生産から加工・販売までの垂直統合モデルが完結することになった。海面養殖施設(生産量約10,000トン)は、最大水深600mというフィヨルドの入り江にあり、当養魚場の水深100m~250m、真水が常に流入する、養殖に最適条件を備えている。また、8月から稼働予定のホフセスオーレスン工場は、原料投入から製品加工まで1時間で行える最新鋭のオートメーション設備を導入した」と話したうえで、「これらノルウェー事業が、ヨコレイ食品販売事業の大きな力になるのは間違いない」と語った。

【サーモン事業の新3工場】

●シーフードファーマーズ工場
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特徴:比較的少量生産が可能、顧客の細かな要望に対応し、スモークサーモン等高度な加工ができる工場。
製品:アトランフィーレ、アトランポーション、同マリネ、冷・温燻製サーモン、ハラス。

●ホフセスシブデ工場
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特徴:単品・大量生産型工場。最新鋭の機械を導入し、少人数で効果的製造実施。比較的シンプルな加工が中心。
製品:アトランフィーレ、アトランポーション、同マリネ、ハラス。

●ホフセスオーレスン工場
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特徴:8月稼働開始予定。北米量販店向け中心にスタート。フレッシュフィーレをアメリカに空輸。
製品:フレッシュ アトランフィーレ、フレッシュ アトランポーション、IQFアトランフィーレ、IQFアトランポーション

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