【業績で見る株価】日東紡続伸、400円回復に接近、スマホ向け機能材が好調、15年3月期は上方修正期待

業績で見る株価

日東紡<3110>(東1・売買単位1000株)は、8円高の397円と続伸、再び400円台奪回に接近となっている。

綿紡の名門で、ガラス繊維を用いた産業資材では世界トップクラスのメーカーである。こうした中、スマートフォンや通信基地向けの高機能材料(ガラスクロス製品)が予想以上に好調だ。加えて、原繊材事業の強化プラスチックや電子材料向け高付加価値製品の伸長により、収益力がアップしている。

2015年3月期は当初、原材料価格の高騰を受けて経常利益は60億円と前期比7.8%の減益予想をしていたが、高機能材料の好調と円安効果が加わり、ほぼ横ばいの65億円(前期比0.2%減)へ上方修正した。さらに、この勢いは止まっておらず、最終的には経常利益は70億円(同7.5%増)前後と増益に転じる可能性を指摘する向きがある。

ちなみに売上高は900億円(同5.8%増)前後、当期純利益は38億円(同1.5%減)前後となる見通しだ。続く、2016年3月期も増収増益を確保するものと期待される。

2015年3月期の予想一株当たり利益は19円で、これで計算したPERは20倍弱と割安感は乏しい。しかし、PBRは1.17倍と低く、割安だ。また、配当利回りも1.3%と比較的高く、今後、配当の権利取りの動きも活発化することが予想される。

また、見逃してならないのは、信用取引の貸借倍率だ。今後、信用売りの買い戻しの動きも期待できそうだ。同社の実力や将来性から判断して、2014年10月に付けた安値348円は、底値と判断でき下値岩盤を形成したと解釈できる。

しかも、前述の通り2015年3月期の経常利益が横ばいから増益に、再度、上方修正されれば、見直される公算がある。400円割れは絶好の拾い場である。中期的には2013年に付けた高値560円突破から、新しいステージでの展開が充分に予想されるだけに下押し局面は、千載一遇のチャンスであろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  2. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  3. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  4. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  5. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  6. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る