【株式評論家の視点】日本ビューホテル株価は上昇に勢い、外国人観光客関連、業績好調

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

日本ビューホテル<6097>(東2)は、1月20日(火)11円高の1576円と続伸している。2014年に日本を訪れた外国人旅客が1340万人程度と13年より3割増えたことが日本政府観光局(JNTO)の推計でわかったと伝わっている。例年10~12月は外国人旅客が落ち込むが、消費額は計5600億円程度と繁忙期である7~9月より2%以上増えたもようで、同社が経営する浅草ビューホテルなどの売上も予想を上回る可能性がある。

足元の業績は、今4月期第2四半期売上高が90億0500万円、営業利益が3億9200万円、経常利益が5億9100万円、純利益が3億5600万円に着地。売上については、個人需要と法人需要とも消費増税の反動からの回復が鈍いほか、今夏の天候不順や台風が集客に大きく影響。加えて、原子力発電所事故による風評被害の影響が長引いていることが響き当初の計画を若干下回ったが、原子力発電所事故による風評被害に伴う逸失利益に対する補償金2億2900万円を営業外収益に計上し、経常利益と純利益は大幅に増加した。下期に向け浅草、成田、高崎の各ビューホテルで今期第2四半期までに実施した婚礼施設のリニューアルを武器とした婚礼組数の増強。訪日外国人旅行客集客の更なる強化(特に富裕層個人客向けに浅草ビューホテル、成田ビューホテルに集客を図る)。レベニューマネジメントの更なる強化による宿泊単価アップと稼働率の向上に取り組んでいる。

通期業績予想は、売上高183億6700万円(前期比8.4%増)、営業利益8億2400万円(同76.8%増)、経常利益9億8600万円(同27.4%増)、純利益6億円(同43.5%増)を見込む。年間配当は期末一括16円を予定している。また、株主還元を目的として株主優待制度の導入を決定。毎年4月30日と10月31日現在の株主名簿に記載された同社1単元(100株)以上を保有されている株主を対象に実施する。100株以上300株未満500円割引券4枚(2,000円相当)。300株以上500株未満500円割引券6枚(3,000円相当)。500株以上500円割引券10枚(5,000円)を贈呈する。浅草ビューホテル、成田ビューホテル、秋田ビューホテル、那須りんどう湖LAKE VIEWなど同社グループが運営する対象施設で宿泊、レストラン、宴会、婚礼、入園料などで利用できる。

株価は、昨年7月28日に上場来の高値2222円と買われた後、同10月17日安値1267円、同12月25日安値1230円と売り直されて下値確認から1月7日高値1650円と上昇。その後、モミ合いとなっている。中華圏の旧正月である2月の春節(今年は大晦日にあたる2月18日から24日の7日間が中国では休みになる)に訪日旅客はさらに増加する見通し。ここから押し目買い優位に上昇基調を強めるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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