クレスコは高値圏で堅調、17年3月期も増収増益・連続増配予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 クレスコ<4674>(東1)はビジネス系ソフトウェア開発を主力として、カーエレクトロニクス関連など組込型ソフトウェア開発も展開している。受注が高水準で17年3月期も増収増益・連続増配予想である。株価は00年以来の高値水準で堅調に推移している。指標面に割高感はなく、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。なお8月9日に第1四半期業績発表を予定している。

■ビジネス系ソフトウェア開発が主力

 ビジネス系ソフトウェア開発(アプリケーション開発、基盤システム構築)事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売)も展開している。

 16年3月期のセグメント別売上構成比は、ソフトウェア開発事業が82.6%(金融関連が41.7%、公共・サービスが19.4%、流通・その他が21.5%)、組込型ソフトウェア開発事業が17.0%(通信システムが3.0%、カーエレクトロニクスが6.8%、その他が7.2%)、その他事業が0.4%だった。

 中期成長に向けた重点施策として、コア事業(システム基盤、アプリケーション開発、組み込み)を組み合わせたビジネスの推進、デジタル変革をリードする先端技術(AI、Robotics、IoT)の研究・拡大、品質・生産性の徹底的追求、サービスビジネスの推進、グループシナジーの強化およびM&A・アライアンスの推進、開発体制の拡充などを推進している。

 オリジナル製品は「インテリジェントフォルダ」「クレアージュ」「モビック」「みんなのてんこ」などの拡販を推進している。16年3月には企業向けIoTプラットフォーム「KEYAKI(けやき)」を発表した。Beaconプラットフォーム「BeaconBridge」の後継ソリューションで、Beacon以外にもNFC等の近距離無線機器、各種センサー、マイクロサーバー、スマートフォンなど多種多様で大量のIoTデバイスに対応し、外部アプリケーションサービスの接続を担うIoTプラットフォームである。

■M&A・アライアンスも積極活用

 13年4月ソリューション事業のクリエイティブジャパンを子会社化、企業コンサルティング事業のエル・ティー・エスを持分法適用会社化、14年12月受託ソフトウェア開発のエー・アイ・エム・スタッフを持分法適用会社化、15年3月高速クラウド構築支援サービスのSkeedの第三者割当増資を引き受けて提携関係強化、15年4月SAP社の基幹業務パッケージの導入支援を主力とするエス・アイ・サービスを完全子会社、15年5月子会社クレスコ北陸がアップゾーンと資本業務提携してモバイルポータル事業に参入した。

 15年7月ソフトバンクの「IBM Watsonエコシステムプログラム」の初期エコシステムパートナーに選定された。テクノロジーパートナーとしてPepperをはじめとするロボット、モバイル、パソコンに対するさまざまなアプリケーション開発を通じてWatsonによるビジネス変革を支援する。15年9月にはKii社、KDDI<9433>、大日本印刷<7912>が設立したIoT時代の新たな企業間連携を生み出す企業連合「Kiiコンソーシアム」に参加した。

 なお16年4月連結子会社を再編し、SAP社のERPの導入支援・保守運営を展開する子会社クレスコ・イー・ソリューションがエス・アイ・サービスを吸収合併した。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年3月期は受注高が第1四半期58億81百万円、第2四半期61億19百万円、第3四半期68億79百万円、第4四半期64億09百万円、売上高が58億10百万円、61億89百万円、61億55百万円、69億09百万円、営業利益が3億80百万円、5億89百万円、5億43百万円、5億01百万円で、16年3月期は受注高が72億86百万円、70億27百万円、78億08百万円、70億09百万円、売上高が65億64百万円、72億55百万円、72億71百万円、76億85百万円、営業利益が4億23百万円、7億85百万円、7億43百万円、5億33百万円だった。

 年度末にあたる第4四半期の構成比が高く、案件別の採算性も影響する収益構造だ。また第4四半期の受注高は第3四半期に比べて減少する傾向がある。

 16年3月期は企業の高水準のIT投資を背景として計画超の大幅増収増益だった。ソフトウェア開発事業では金融・保険分野や公共・サービス分野、組込型ソフトウェア開発事業ではカーエレクトロニクス分野が好調だった。売上総利益は15年3月期比16.0%増加し、売上総利益率は18.2%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同10.0%増加したが、販管費比率は9.6%で同0.4ポイント低下した。

 営業外収益では有価証券売却益が増加した。ROEは14.8%で同0.7ポイント上昇、自己資本比率は63.3%で同2.5ポイント上昇した。配当は同12円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)で配当性向は32.8%だった。配当に関しては、特別損益を零とした場合に算出される当期純利益の40%相当額をメドとした配当を継続的に実現することを目指している。

 セグメント別動向を見ると、ソフトウェア開発事業は売上高が同14.8%増の237億67百万円(金融関連が同16.2%増の120億03百万円、公共・サービスが同10.4%増の55億72百万円、流通・その他が同16.2%増の61億91百万円)で、営業利益(連結調整前)が同20.2%増の29億04百万円だった。メガバンク向けシステム開発が牽引し、運輸関連、旅行関連、人材サービス関連も好調だった。

 組込型ソフトウェア開発事業は売上高が同15.6%増の49億01百万円(通信システムが同9.8%減の8億70百万円、カーエレクトロニクスが同25.3%増の19億48百万円、その他が同21.0%増の20億82百万円)で、営業利益が同16.0%増の6億62百万円だった。カーエレクトロニクスは車載表示関連の開発が増加し、次世代の自動車自動走行関連の案件も含まれているようだ。

 その他事業(商品・製品販売・その他)は売上高が同9.6%減の1億06百万円で、営業利益が39百万円の赤字(前々期は30百万円の赤字)だった。

■受注高水準で17年3月期も増収増益・連続増配予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比8.1%増の311億円、営業利益が同10.7%増の27億50百万円、経常利益が同5.0%増の30億円、純利益が同17.3%増の20億円としている。配当予想は同2円増配の年間52円(第2四半期末26円、期末26円)で予想配当性向は29.4%となる。

 金融関連を中心とするシステム開発案件の受注が高水準に推移して、増収増益・連続増配予想である。国内のIT投資需要はセキュリティ意識の高まりも背景に、クラウドやモバイル端末を活用したシステムへの移行、ITシステム基盤の統合・再構築、ビジネスプロセスの可視化・最適化、ビッグデータの分析と活用、仮想化技術の導入、ソーシャル・テクノロジーのビジネス活用などで高水準に推移する見込みだ。中期的にも収益拡大基調だろう。

■株価は00年以来の高値圏で堅調

 なお14年11月のドイツ銀行ロンドン支店を割当先とする自己株式を活用した第三者割当による第1回~第3回新株予約権の発行、および新株予約権買い取り契約(行使許可条項付・ターゲット・イシュー・プログラム「TIP・2014モデル」)について、第1回新株予約権の権利行使は15年3月全て完了し、第2回新株予約権については15年3月18日、5月12日、6月11日、7月9日、7月24日、8月21日、10月28日、11月25日、16年5月11日、6月7日に行使許可を発表している。

 株価の動きを見ると、7月12日に00年以来の高値水準となる2620円まで上伸し、その後も高値圏で堅調に推移している。

 7月28日の終値2387円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS177円06銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間52円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1078円35銭で算出)は2.2倍近辺である。時価総額は約286億円である。

 週足チャートで見るとモミ合いから上放れ、13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドだ。自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。00年高値3288円が視野に入る。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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