【編集長の視点】キャリアは最安値から急反発、連続最高業績見直しに「働き方改革」もフォローし直近IPO株買いが再燃

 キャリア<6198>(東マ)は、135円高の3340円と3日ぶりに急反発して始まり、前日3日につけた上場来安値3205円からの底上げを鮮明化している。同社株は、今年6月27日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、8月8日にはIPO後の初決算の今9月期第3四半期(3Q)業績の発表を予定しており、これを前に今9月期業績の連続過去最高更新を見直し、下げ過ぎとして直近IPO株買いが増勢となっている。また8月2日に閣議決定された事業規模28兆円の経済対策では、一丁目一番地の働き方改革のために保育士や介護職員の給与引き上げが打ち出されたことも、「同社の成長可能性を高める政策の追い風として支援材料視されている。

■アクティブシニア層や未就労介護職員の派遣先を開拓し最適就労を支援

 同社の今9月期業績は、売り上げ73億9700万円(前期比27.6%増)、営業利益4億400万円(同53.6%増)、経常利益4億円(同36.5%増)、純利益2億4600万円(同28.1%増)と予想され、2009年4月の設立以来高成長し連続して過去最高を更新する。55歳から75歳の働く意欲のあるアクティブシニア層を企業に紹介・派遣するシニアワーク事業と、資格を持ちながら子育てなどの事情で未就労となっている看護師・介護士の介護職員を派遣するシニア事業を展開しており、両事業とも派遣先で人材不足となっていることに対応し、同社の40名に達するシニア活用コンサルティングが、働きやすい環境を開拓してマッチング、最適な就労支援を行っていることが要因となっている。

 今後も高齢化社会がいっそう進展するなか、シニア層の未就労率は54%、未就労者は約1886万人と未就労女性労働者を上回り、また未就労の潜在看護師は71万人、同介護士は228万人に達しており、「介護離職ゼロ」を目指すアベノミクスの「一億総活躍プラン」政策の加速で、全国展開を積極化している同社業績の高成長をサポートすることになる。足元では、8月8日に発表予定の今期3Q業績が、今9月期通期予想業績に対してどのような進捗率を示すか、業績上ぶれがあるのかないかなどが要注目となるが、2日に閣議決定された経済対策で最優先政策となった介護職員の給与引き上げなどの政策効果にも期待が高まる。

■最高値から値幅・値幅調整とも一巡感を強め「リターン・リバーサル」展開が有力

 株価は、公開価格1940円でIPOされ3870円で初値をつけ、3日連続のストップ高を交えて上場来高値7140円をつけ、公開価格比3.7倍の大化けを演じた。最高値後は、東証マザーズ指数の急落とともに調整期入りとなり、上場来安値3205円まで売られた。IPOから日柄で2カ月を経過、値幅でも往って来い以上の調整と目先の調整一巡感を強める段階となっており、下げた株ほど良く戻るとする「リターン・リバーサル」買いで急騰特性の再現期待を高めて一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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