インテリジェントウェイブは金融・情報セキュリティとも好調で売上高の連続最高更新を見込む

■あえて規模拡大と品質向上のて二兎を追う戦略が奏功

 クレジットカード決済システムや情報セキュリティシステムなどのインテリジェント ウェイブ<4847>(JQS・売買単位100株)は8月5日、2016年6月期の決算説明会を開催し、資料を同社ホームページに掲載。連結売上高は前期比17.0%増の72億600万円となり、10期ぶりに上場来最高を更新した。純利益は従来予想を37%上回り、同じく1.9%増の4億7800万円となった。

 2016年6月期は、決済手段の多様化を背景としたシステム投資の増加や、大手証券・ネット証券などの証券系システム更新にかかわる開発案件の増加が寄与し、また、企業や公共機関を狙ったサイバー攻撃による情報漏えいの事案が連続的に発生し、情報セキュリティ対策の受注も拡大した。

 連結営業利益は同じく47.5%増加して7億1400万円となり、ここ10年間で最高益を更新した。15年に就任した井関司社長は「あえて二兎を追い、全社的に規模拡大と品質向上を目指して努力してきた」としたが、売上高、営業利益ともこうした成果が上がる形になった。

 クレジットカード決済システムなどの「金融システムソリューション」事業の売上高は前期比15.0%増加して63億8600万円となり、部門営業利益は同じく6.0%増加した。また、情報セキュリティ製品などの「プロダクトソリューション」事業は売上高が同じく35.8%増加し、部門営業利益は黒字化した。

 今期・17年6月期の展望は、「金融システムソリューション」事業で前期拡大した証券系システム需要の反動が出る半面、この秋からアクワイアリング業務の案件が本格的に始まるなどの新展開があり、部門売上高にして8%の増加を見込む。また、「プロダクトソリューション」事業では、イスラエル社製のサイバーセキュリティ対策製品など、他社製品が自社製品を上回る可能性があり、部門売上高にして34%の増加を見込む。

 今期の決算書は、子会社の清算により連結決算から単独決算へ移行するが、連結と単独の差異は16年6月期の売上高をみると連結が72.06億円、単独が72.05億円と大きな差はなく、業績予想は、売上高を80億円(前期比11.0%増)、営業利益を8億円(同9.3%増)、純利益は5億5000万円(同7.2%増の見込みとした。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  2. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  3. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  4. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  5. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  6. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る