【編集長の視点】AWSホールディングスは急反落も2Q業績の上方修正をサポート材料に株式分割の権利取りの再燃が有力

 AWSホールディングス<3937>(東マ)は、400円安の6890円と2営業日ぶりに急反落して始まっている。この2営業日で1770円高と急伸しただけに、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社株は、今年6月21日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、8月18日は株式分割を発表し、IPO後の初決算となった今3月期第1四半期(2016年4月~6月期、1Q)業績の開示とともに今期第2四半期(2016年4月~9月期、2Q)累計業績の上方修正も発表しており、これをサポート材料とする分割権利取りを中心に直近IPO株買いが再燃する展開も有力となる。IPO以来、再三にわたりストップ高を繰り返した急騰特性の再現期待も高めよう。

■グローバル事業の開発案件の受注とメディア事業の既存ソフトの売り上げが堅調に推移

 株式分割は、投資しやすい環境を整えるために投資単位当たりの金額を引き下げ、同社株式の流動性の向上と投資家層をさらに拡大させることを目的にしており、今年9月30日を基準日に1株を2株に分割する。

 一方、今期2Q累計業績は、IPO時予想より売り上げを5300万円引き下げたが、営業利益を2400万円、経常利益を6400万円、純利益を4600万円それぞれ引き上げ、売り上げ15億1300万円、営業利益1億100万円、経常利益1億2900万円、純利益7700万円とした。売り上げは、院内物流システムの受注が計画を下回って下ぶれるが、グローバル事業の開発案件の受注が堅調に推移し、メディカル事業でもレセプト点検ソフト「Mighty Checker」やオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE」などの既存パッケージソフトの売り上げが続伸、円高により海外子会社の人件費などのコストが圧縮されたことも加わり上方修正された。

 今3月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ34億3400万円(前期比17.3%増)、営業利益2億7100万円(同40.0%増)、経常利益2億7000万円(同16.2%増)、純利益1億6700万円(前期は400万円の赤字)と見込んでいるが、今後の業績推移に応じて業績修正が必要となった場合は速やかに開示するとしている。1Q決算発表時に早期に業績を上方修正した会社は、その後に業績を再上方修正するケースが多いとするのが市場の一般的な見方となっている。

■最安値から好材料続出で合計3日間のストップ高を演じリバウンド幅を拡大

 株価は、2490円を公開価格にIPOされ初値を8350円でつけ、2日連続のストップ高を交えて上場来高値1万2070円まで買い進まれる高人気となった。その後は英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」の波及でストップ安し7600円安値へ売られ、再びストップ高して9850円の戻り高値をつけるなど全般相場の波乱商状に影響を受けて急騰急落を繰り返し上場来安値4805円へ突っ込んだ。同安値からは、2Q累計業績の上方修正で再びストップ高、株式分割発表では、2日連続のストップ高を交えて最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻しの7200円を上抜いてスピード調整となっている。株式分割の権利取りで一段の戻りにチャレンジ、まず半値戻しの8400円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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