【注目銘柄】共立印刷はミニゴールデンクロスを示現、割安感があり配当利回り妙味も増す

注目銘柄

 共立印刷<7838>(東1)は、ミニゴールデンクロスを示現、割安感があり配当利回り妙味も増す銘柄として注目したい。

 同社グループは、工場の生産性向上に努めるとともに、店頭POPのバリアブル印刷、圧着ハガキや封入封緘によるダイレクトメール印刷など多様な印刷加工設備を使用し、幅広いニーズに対応して収益の確保に注力している。連結子会社においては、主に出版印刷を行っている株式会社暁印刷が、文庫本用の輪転機を導入して得意先のニーズに対応しているほか、前期から子会社化した九州に拠点をもつ株式会社西川印刷が、営業活動及び生産体制の面でシナジー効果を発揮している。

 前期に続き工場の生産性向上を図るとともに、ダイレクトメール印刷など個人情報を扱う媒体の受注を強化している。従来から受注しているチラシや通販カタログなど輪転印刷の受注状況が大変厳しい環境にあるほか、連結子会社においては、株式会社西川印刷が熊本市内に生産拠点をもち、生産体制には影響はなかったものの、県内の受注活動は大変厳しい状況となっている。

 7月29日大引け後に発表した今2017年3月期第1四半期業績実績は、売上高が114億9300万円(前年同期比6.5%増)、営業利益が4億9100万円(同15.8%減)、経常利益が4億3100万円(同18.9%減)、純利益が2億3300万円(同28.3%減)に着地。

 今17年3月期業績予想は、売上高が505億円(前期比5.2%増)、営業利益が28億円(同11.1%増)、経常利益が25億円(同10.1%増)、純利益が16億5000万円(同12.4%増)を見込んでいる。配当予想は13円(第2四半期末6.5円、期末6.5円)で1円増配を予定している。

 株価は、7月15日につけた年初来高値308円から8月1日安値287円と短期調整を挟んで上昇。ミニゴールデンクロスを示現し、高値奪回を視野に入れている。諸資材の価格が高止まりするなか、受注競争の激化による受注単価下落が見込まれるが、引き続き生産性の向上を図るとともに設備の更新による市場ニーズの対応にも取り組み、受注拡大と利益の確保に取り組むことから、通期業績予想は据え置いている。また、天皇陛下の生前退位となれば、特需が発生するとの思惑がある。今期予想PER8倍と割安感があるほか、配当利回り4.2%と利回り妙味も増しており、下押す場面は買い妙味が膨らみそうだ。(N)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る