ファンデリーの代表取締役阿部公祐氏に近況と今後の見通しを聞く

 健康食宅配サービスのファンデリー<3137>(東マ)は、15年6月に上場した企業で、ビジネスモデルがユニークであり、社会貢献度が非常に高いことから、注目を浴びている。そこで、近況と今後の見通しについて、語ってもらった。

――創業される以前はどこにいらっしゃったのですか。

 【阿部代表】 保険会社にいまして、損害保険の代理店設置を提案する仕事をしていました。

――その中で健康の大切さを考えて、起業されたのですか。

 【阿部代表】 保険会社の仕事とは直接的には結び付いていないのですが、社会問題を解決していくことをやりたいと考えていました。その中で、生活の基本である衣食住のうち、「食」で社会貢献につながる健康食の宅配サービスを始めました。
私は、社会に貢献するということに対して、小さい時から意識が高かったと思います。また、チャレンジすることが好きでしたので、新しいビジネスモデルを考えて、多くの人たちに喜んでもらえたらよいなと思っていました。60歳になっても、70歳になっても元気に働ける健康な人が増えたら、豊かな社会になると考えました。
保険会社で営業を担当している時に、多くの経営者の方にお会いしました。皆、目が輝いていて、常に前向きで、経営という世界に魅かれたのも起業につながりました。

――昨今の健康意識の高まりや少子高齢化を考えますと、ある意味では時代の流れに即した、非常に将来性のあるビジネスと思われますね。そこでお聞きしたいのは、御社のビジネスモデルです。

 【阿部代表】 MFD(メディカルフードデリバリー)事業とマ――ケティング事業という2つの事業を展開しています。MFD事業は健康食通販カタログ『ミールタイム』『ミールタイム ファーマ』および健康食通販サイト「ミールタイムネット」を通じた、健康食の宅配事業です。マーケティング事業は前述のカタログ誌面の広告枠販売やサンプリング等の業務受託、健康食レシピサイトの運営を行っています。
MFD事業は、2004年に健康食通販カタログ『ミールタイム』を創刊し、全国の医療機関や調剤薬局など、約18,000か所の紹介ネットワークを、10年かけて構築しました。この紹介ネットワークを通じて、生活習慣病の患者様や食事制限が必要な方々に、管理栄養士が開発した健康食をご紹介しています。また、当社のオペレーターは全員、栄養士か管理栄養士ですので、健康食のご注文の際に必ず、お客様の血液検査数値や食事制限数値をお伺いし、お客様一人ひとりに合わせたメニューをご提案させていただく、カウンセリングサービスに注力しています。
もう一つのマーケティング事業は、食品メーカー等のマーケティング活動を支援するビジネスです。
大きく分けて3つありまして、一つ目は、カタログ誌面の広告枠販売です。カタログ『ミールタイム』および『ミールタイム ファーマ』を手に取る方の多くは、 医療機関に通われている患者様です。これらの方々は、食品メーカー等の販売する健康志向商品の顧客層と合致しますので、顧客に直接訴求できる有用な媒体です。
二つ目はサンプリング等の業務受託です。『ミールタイム』を無料で配布いただいている全国の医療機関を中心とした紹介ネットワークを活用して、食品メーカー等のサンプリング業務を受託しています。医師、栄養士の方からリコメンドされるため、効果的なマーケティングが可能となります。
三つ目は、健康食レシピサイトの運営です。食品メーカー等の商品を使用して、エネルギーや塩分等に配慮した健康食レシピを作成し、レシピサイト『はちまるレシピ』にて紹介するサービスを提供しております。
レシピは、当社の紹介ネットワークで活躍されている管理栄養士の方に考案いただいており、食事療法をされている生活習慣病患者様でも安心してお召し上がりいただけます。
これら2つの事業を合わせ、当社の経常利益率は3年連続で16%となっています。その理由は、『ミールタイム』および『ミールタイム ファーマ』カタログの制作費用を、マーケティング事業で獲得した広告料で賄い、かつ、制作したカタログを、紹介ネットワークの医師や栄養士、薬剤師の方から無料で配布していただいているからです。
医療機関としては無料で使える食事療法の情報メディアということで、喜んで活用していただいております。

――掲げていらっしゃる、一食二医も当初からの考えで取り組まれたのでしょうか。

 【阿部代表】 当初から持っていました。ただ、スローガンとして掲げたのは、5年ほど前からです。
これだけ専門家である医師や栄養士、薬剤師の方が活躍していて、健康に関する情報があふれているのに、何故、生活習慣病の方が増えるのでしょうか。
医療機関には、基本的にお薬で患者様を健康にしていこうという考え方があるように感じます。私の考えは、まず自分達で出来ることは、自分達でやろうということです。「体が悪くなったから、すぐに病院に行ってお薬をもらおう」ではなく、「まず第一に食事コントロールが大切で、それでも困難なときに医療機関に行く」、その様な社会に変え、皆で持続的な社会をつくりたいと考えました。それで、一食二医という明確なスローガンを出しました。

――今ちょうど厚生労働省が進めている医療費抑制政策の基本的な流れにぴったりといえますね。

 【阿部代表】 そうですね。医療費の抑制に貢献できれば、と思っています。

――今期も最高益更新予想で順調ですね。先日発表された2017年3月期第1四半期の業績も良かったですね。

 【阿部代表】 はい。おかげ様で、前年度からしっかりと伸びています。売上も18%増です。

――現状と今後の事業拡大に向けた取組について教えてください。

 【阿部代表】 MFD事業については、医療機関を訪問する回数を増やしています。当社が顧客を獲得するのは主に医療機関からのご紹介ですので、医療機関との関係を強化していけば、売上が拡大します。今期は、医療機関で実施されているセミナーや勉強会へと積極的に参加し、『ミールタイム』の良さを着実に伝えていくことに注力しています。

――食材価格の変動が御社の業績に与える影響について教えてください。

 【阿部代表】 食材の価格が多少変動したとしても、調整できていますので、業績に対する影響はほとんどありません。例えば、ある食材の値段が上昇した場合、他の食材を使用するなど、状況に応じて対応しています。当社の業態は、食材の価格に影響されると思われがちですが、実際の影響はほとんどございません。

――競合他社と御社の取組の違いはどこにありますか。

 【阿部代表】 健康食や健康志向の高い食事の宅配業者は多数ありますが、栄養士がお客様の血液検査数値や食事制限数値をお伺いし、お客様一人ひとりに合わせたサポートに注力しているのは当社のみであると考えています。
よって、お客様へのサポート力の高さが、他社とは異なります。
また、当社は広告でお客様を獲得するという方法は重視せずに、紹介ネットワークを活用したビジネスモデルで獲得する方針です。

――中期的な目標として、売上の目標値というものはありますか。

 【阿部代表】 売上高については、まずは100億円を目指します。そのために、毎期10%を上回る売上をしっかりと積み上げていきます。

――投資家の皆様に、御社の強みをアピールしてください。

 【阿部代表】 当社が圧倒的に強いのは、お客様を獲得するビジネスモデルです。医療機関とのネットワークがありますので、広告、チラシ等の広告宣伝費を使わずにお客様を獲得できます。これにより、3年連続で、経常利益率16%を確保し、有利子負債ゼロで事業を展開しています。加えて、栄養士の専門性です。医療機関とのネットワークを構築しながら、栄養士のサポート力を保有しているビジネスモデルは、他社では追随出来ないのではないかと自負しています。

――具体的に御社の健康食を食べて、数値が改善した例などありますか。

 【阿部代表】 沢山あります。「3カ月で体重が10キログラム減った、中性脂肪が半分になった」や、「透析に入るのが5年先に伸びている」など、当社の健康食を継続している方々から喜びの声が多く寄せられています。

――最後に、御社の今後の方向性を教えてください。

 【阿部代表】 ヘルスケアの総合企業になりたいと思っています。当社は「食」から健康をサポートしていますが、健康管理サイトや本の出版、スポーツ事業、病院設立など様々な事業を展開していきたいと考えています。将来、日経平均採用銘柄の225社に選ばれるような会社になることも大きな夢ですね。

――本日は、長い時間を取っていただき誠にありがとうございました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    新着記事

    ピックアップ記事

    1. 隠れた関連株として注目  本2018年も、スポーツイベントが目白押しである。今年2月の韓国・平昌冬…
    2. 花粉症シーズン到来で再注目  冬本番である。「冬来たりなば春遠からじ」と「春よ、早く来い」と希うの…
    3. 日経平均株価=1万8700円~2万4000円を予想  日経平均株価は、11月9日に23382.15…
    2018年7月
    « 6月    
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
    IRインタビュー 一覧

    アイビーシーの加藤裕之社長に聞く 協立情報通信の長谷川浩社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く JPホールディングスの荻田和宏社長に経営への取組みを聞く 翻訳センターの東郁男社長に聞く イワキの岩城慶太郎副社長に聞く ヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村元久社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く セキドの関戸正実社長に現況を聞く アルコニックスの正木英逸社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く トレックス・セミコンダクターの藤阪知之社長に聞く イーグランドの代表取締役社長江口久氏に聞く ミロク情報サービスの是枝周樹社長に聞く 日本マニュファクチャリングサービスの小野文明社長に聞く 日本エム・ディ・エムの大川正男社長に聞く 建設技術研究所の村田和夫社長に聞く 東京個別指導学院の的場一成社長に聞く ビューティガレージの野村秀輝社長に聞く サンコーテクノの洞下英人社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る