【編集長の視点】ヨシムラフードHDはもみ合いも業績上方修正にさらにM&Aがオンして業績再上ぶれ期待が再燃方向

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東マ)は、33円高の1730円と反発して高寄りしたあと、37円安と下ぶれるなど前日30日終値を挟みもみ合っている。今年8月3日につけた上場来高値1800円を前に目先の利益確定売りと下値買いが交錯している。ただ同社株は、今年6月に相次いで実施した2件のM&A(企業の合併・買収)により7月14日に今2月期業績を上方修正し、そのあとさらに7月29日にはエスケーフーズ(埼玉県大里郡寄居町)のM&Aを実施しており、同社独自のビジネスモデルの「中小企業支援プラットフォーム」による業績再上ぶれが期待されており、下値買い妙味を示唆している。

■今期3回目のM&Aは「彩の国優良ブランド」の認証を受け即戦力として寄与

 同社は、今年6月27日に栄川酒造(福島県会津若松市)の全株式を1000万円、6月29日に純和食品(埼玉県熊谷市)の全株式を4億5500万円で取得し子会社化することを発表し、主要子会社の楽陽食品のチルドシウマイの新規取引先の増加、販売増に、この2件のM&Aが即戦力として上乗せとなって今2月期業績を上方修正した。

 売り上げを期初予想より17億1200万円、営業利益を3400万円、経常利益を4600万円、純利益を1700万円それぞれ引き上げ、売り上げ149億6300万円(前期比16.5%増)、営業利益4億500万円(同24.6%増)、経常利益4億900万円(同24.6%増)、純利益2億3900万円(同48.1%減)と見込んだ。純利益は、前期に計上した土地収用補償金の特別利益5億1000万円が剥落して減益転換するが、売り上げ、営業利益、経常利益は増収増益率を伸ばす。

 この業績上方修正のあとも同社は、7月29日にエスケーフーズの全株式を2億3370万円で取得し、子会社化することを発表した。エスケーフーズは、自社製造のとんかつ、ハンバーグ、チキンカツ、メンチカツなどの惣菜をスーパー量販店や弁当製造会社向けに販売し、とくに「彩の国優良ブランド品」に認証されている「むさし野とんかつ」を主力とするチルド惣菜は高い評価を受けている。優れた商品や技術力を持ちながら成長できない日本の中小食品企業を再活性化するヨシムラフードHの「中小企業支援プラットフォーム」の一段の多角展開、成長力強化につながる。足元の業績面でもエスケーフーズは、2015年9月期に売り上げ37億6700万円、営業利益4900万円を計上しており、即戦力としてヨシムラフードHの業績再上ぶれ要因として期待されている。

■1回目のM&A以来の株価倍化の急騰再現期待を高めて最高値抜けから上値挑戦へ

 株価は、今年6月につけた上場来安値818円から栄川酒造M&Aで1000円台を回復し、純和食品M&Aで1044円高値をつけ、今期業績の上方修正とともにストップ高して1534円へ上値を伸ばし、エスケーフーズM&Aで上場来高値1800円まで買い進まれスピード調整中である。1回目のM&A以来ほぼ倍化した急騰再現思惑は根強く、最高値奪回から上値チャレンジに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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