【村山貢司の気象&経済歳時記】夏の天候と影響

 2016年7月は東日本から西日本にかけて猛暑となり、関東では冬の雪不足と春以降の少雨の影響で水不足が懸念された。一方、高温の影響で夏物の出足は良く、エアコンなど夏物家電は好調であった。7月の消費支出は前年比でややマイナスになったが、これは燃費疑惑による自動車購入減少が影響している。

 8月は西日本では猛暑と少雨が続き、飲料を中心に夏物は比較的好調であり、夏のレジャーも例年並みであった。しかし、関東から北の地方は台風や雷雨の影響で天候が不順であり、消費、人出ともに低調であった。

 この夏の天候で特筆すべきは台風の影響である。台風1号の発生は7月3日で過去2番目に遅くなったが、発生数は7月が4個、8月には7個も発生した。北海道に上陸した台風1号は、発生位置が八丈島東方という過去には例のない場所であった。発生した11個の台風のうち7個が日本に接近し、そのうちの4個が上陸した。

 問題は上陸地点で北海道が2個、関東、東北が1個である。接近した残り3個のうち2つは北日本に接近しており、昔の常識では考えられないことである。

 これらの台風の影響もあって、関東から北海道にかけては8月の雨量が多く、北海道の東部や関東東部では平年の3倍以上になった。この雨の影響で野菜価格が上昇しており、特にサトイモや玉ねぎなどの根菜類がかなり高値になっている。大雨で関東から北では野菜の根腐りや田畑の冠水などが懸念され、今後しばらくは高値が続きそうである。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る