【編集長の視点】富士ソフトサービスビューロは配当権利取りを連続最高経常利益がサポートして反発

 富士ソフトサービスビューロ<6188>(JQS)は、5円高の605円と反発して始まり、今年6月24日につけた上場来安値567円に並ぶ安値水準から底上げしている。9月27日に配当権利付き最終日を迎えるのを前に、同社の今3月期配当が20円と高水準を安定継続することを見直し高配当利回り買いが再燃している。今3月期の経常利益が、連続して過去最高を更新すると予想されていることもサポート材料視され、下げ過ぎ訂正買いも相乗している。

■年金機構向けの年金相談業務がフル寄与し電力自由化関連業務も増加

 同社株は、今年3月15日に新規株式公開(IPO)されたが、新興市場のIPO株としては異例の連続増配会社で、初決算となった前2016年3月期配当は20円として実施した。IPO時はこれも評価材料に公開価格890円に対して1010円で初値をつけ、上場来高値1170円まで買い進まれた。今2017年3月期配当も、配当性向30%をメドとする利益還元方針に従って20円の高配当を継続、これによる配当利回りは、3.30%と市場平均を上回る。

 積極的な利益還元策を続ける前提となる今2017年3月期業績も好調で、売り上げ80億円(前期比1.7%増)、営業利益2億7000万円(同7.8%増)、経常利益2億7000万円(同6.9%増)、純利益1億7200万円(同5.5%増)と予想、売り上げと経常利益は、前期に続き過去最高を更新する。コールセンターサービス事業では、年金機構向けに今年1月から開始した年金相談業務が、通期フル寄与し、BPO(業務処理の外部受託)サービスでは、記帳データ入力業務や電力自由化に伴う各種入力業務が増加することなどが要因になる。

 今期に入っても4月に足立区向けでは選挙事務の人材派遣業務を受託し、5月には長崎市の臨時福祉給付金コールセンター運営等業務、練馬区の児童手当および児童育成手当現況届の開封・確認業務などをそれぞれ受託しており、業績続伸期待を高めている。

■25日線での値固めは最終段階でPER7倍、PBR0.8倍の割り負け修正に再発進

 株価は、上場来高値1170円から全般相場の波乱展開とともに下値を探り、英国の国民投票によるEU(欧州連合)離脱ショックで上場来安値567円へ突っ込んだ。同安値からは、下げ過ぎとして底上げ、古河市からのコールセンター業務受託をキッカケに658円の戻り高値をつけ25日移動平均水準での値固めを続けている。高配当利回りに加え、PERは7倍台、PBRは0.8倍と割り負けており、公開価格奪回など一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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