【材料でみる株価】扶桑化学工業は17年3月期配当予想の増額修正と株主優待制度の廃止を発表

 扶桑化学工業<4368>(東1)は9月12日、17年3月期配当予想の増額修正と株主優待制度の廃止を発表した。株価は上場来高値圏だ。配当予想増額修正も好感して上値を追う展開だろう。

 17年3月期の配当予想は、前回予想の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)に6円増額して年間36円(第2四半期末18円、期末18円)とした。前期(記念配当10円含む年間35円)との比較では1円増配となる。

 株主優待制度については、株主に対する利益還元の公平性の観点について検討を重ねた結果、配当金による利益還元を充実させていくことがより適切であるとの判断に至り、17年3月期から廃止することとした。

 業績は好調だ。17年3月期第1四半期の連結業績は、海外子会社の円換算影響などで前年同期比1.5%減収だが、ライフサイエンス事業における円高に伴う原材料・商品仕入価格低下やコスト削減、電子材料・機能性化学品事業の大規模設備投資工事に備えた前倒し生産に伴う原価低減などが寄与して、同41.1%営業増益、同32.4%経常増益、同44.5%最終増益だった。そして8月1日には第2四半期累計の利益予想を増額修正している。通期業績予想は据え置いているが、円高メリットも寄与して増額の可能性があるだろう。

 株価は9月7日に上場来高値1949円まで上伸した。利益確定売りで12日に1785円まで調整する場面があったが、週足チャートで見ると1800円近辺のフシを突破してレンジから上放れた形であり、配当予想の増額修正も好感して上値を追う展開となりそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る