【編集長の視点】竹本容器は最高値水準でもみ合い、初決算発表を先取りして下値に割安直近IPO株買い

編集長の視点

竹本容器<4248>(東2)は、2円高の1001円と7営業日続伸して始まったあと、32円安と下ぶれるなど前週末23日ザラ場につけた上場来高値1008円に並ぶ高値水準でもみ合いを続けている。きょう26日に日経平均株価が、ギリシャの総選挙結果を受けた円高・ユーロ安を嫌って226円安と急反落してスタートした影響で、同社株にも目先の利益を確定する売り物が出ている。ただ下値には、昨年12月17日の東証第2部への新規株式公開(IPO)後の初決算となる同社の前2014年12月期業績の発表を2月13日に控え、前期業績の上ぶれ着地、今2015年12月期の業績続伸予想などを先取りして直近IPO株買いが続いており、一段の割安修正が期待されている。とくに前期純利益は、税負担増加で減益となると推定されるが、今期純利益は、税負担の平準化で増益転換との観測が強まっている。

■前期業績は上ぶれ着地、今期は大幅続伸の期待高まる

同社は、化粧品や食品向けのプラスチック容器メーカーで、販売地域は、国内のほか中国、米国などグローバルに広がり、販売先は、グループで4716社にのぼっている。販売先は、差別化のために独自のデザインを施す容器を求め、このための金型製作に時間と費用が不可欠となるが、同社は、昨年9月末現在で2657型の金型を保有し、スタンダードボトルとして製作し顧客の負担軽減を実現、短納期での納入や小ロットでの容器提供を可能として国内外の顧客の高い支持を得ている。

このため目下集計中の前2014年12月期業績は、IPO時に売り上げ108億3500万円(前々期比8.2%増)、営業利益8億4000万円(同11.0%増)、経常利益8億1300万円(同横ばい)、純利益5億2000万円(同12.2%減)と予想されたが、前期第3四半期業績は、この通期業績に対して高利益進捗しており、上ぶれ着地期待につながっている。前期配当も、19円(前々期実績5円)への増配を予定している。今期業績も続伸の可能性があり、前期経常利益は、前々期計上の為替差益の一巡で横ばい、純利益は、前期に法人税、住民税及び事業税の増加などで減益転換したと推定されるだけに、今期は、この平準化から大幅増益となるとの観測につながっている。2月13日の初決算発表が注目されることになる。

■「小さく産んで大きく育てる」IPO株投資の定石通りに上値チャレンジ

株価は、公開価格900円でIPOされて918円で初値をつけ940円まで買い進まれたあと、IPO株としてやや人気薄の東証2部株として公開価格を下回る851円まで売られたが、年明けとともに公開価格を回復し最高値を追い、「小さく産んで大きく育てる」とするIPO株投資の定石通りの株価展開となった。前期推定ベースでもPERは9倍台、実績配当利回りも1.96%と割安であり、目先売り一巡後の再度の上値チャレンジが想定される。

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