【編集長の視点】アカツキは続落も新作モバイルゲームのヒットに1Q好決算の再評価が加わって下げ過ぎ訂正期待が底流

 アカツキ<3932>(東マ)は、165円安の2510円と7営業日続落して始まっている。今年9月18日の東京ゲームショウの閉幕とともに、ゲーム関連株人気に出尽くし感が強まり同社株にも手仕舞い売りが増勢となっている。ただ下値では、依然として今年8月1日に事前登録を開始したモバイルゲーム「八月のシンデレラナイン」の登録者が大きく伸びていることを手掛かりに、業績期待を高める買い物も続いている。スマホ関連株買いが増勢となっている。今年8月12日に発表した今3月期第1四半期(2016年4月~6月期、1Q)業績が大幅増益で着地したことが見直され、テクニカル的にも、今年5月18日につけた上場来高値7430円から、値幅的にも日柄的にも調整は一巡、下げ過ぎとの観測を強めている。

■既存タイトルが続伸し新作の「八月のシンデレラナイン」の事前登録も好調スタート

 「八月のシンデレラナイン」は、「青春×女子高生×高校野球」をテーマにした“青春体験型野球ゲーム”で、12人のメインキャラクターを指導・育成しながら「甲子園」の夢を追い掛けることをテーマとする新規タイトルで、8月1日にポータルサイトを公開以来、キャンペーンやKADOKAWAと協業プロモーションを実施したこともあり事前登録者が10日間で10万人を突破し、リリース後の業績期待を高めている。

 既存タイトルも、昨年1月にリリースした「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」が、7月に日本を含む世界7カ国で1位を獲得し、国内外累計で7777万ダウンロードを達成したほか、2013年11月リリースした「サウザンドメモリーズ」が累計で950万ダウンロードを超える人気アプリに成長している。

 このため今期1Q業績は、新規タイトルの開発費や積極的なM&A(企業の合併・買収)に伴うのれん償却負担などを吸収して、前年同期比44.4%増収、31.7%営業増益、35.0%経常増益、70.0%純益増益と大幅続伸して着地し、営業利益は、3四半期連続で過去最高益を更新した。3月通期業績は、期初のレンジ予想を据え置き、売り上げ70億円~100億円(前期比17.6%増~67.9%増)、営業利益20億円~40億円(同6.8%減~86.3%増)、経常利益20億円~40億円(同1.3%増~2.02倍)、純利益14億円~28億円(同25.8%増~2.51倍)と連続の過去最高更新を見込んでいるが、前期業績と同様に上ぶれ着地を高めている。

■値幅・日柄調整の一巡感から今年7月のリバウンド相場再現期待を強め突っ込み買い妙味

 株価は、上場来高値7430円から全般相場の波乱展開にツレ安して2段下げし、今年6月に英国の欧州連合(EU)離脱ショックの波及で2539円安値に突っ込み下落率は65%に達し、下げ過ぎとして7月に3770円まで大きくリバウンド、ここにきて往って来いとなって再び6月安値水準で下値を確認している。また日柄的には、最高値から4カ月目を経過し、調整の大所を経過している。底上げへの再発進から7月のリバウンド相場再現の期待を強め、突っ込み買い妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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