【株式評論家の視点】デファクトスタンダードの押し目はリバウンド狙いで買い妙味

株式評論家の視点

 デファクトスタンダード<3545>(東マ)は27日、56円高の1611円まで上げて急反発している。8月31日に東京証券取引所マザーズに上場。同社は、非対面・非接触・路面店舗なしのインターネットを通じてリユース・ブランド及びファッションジャンル商品の買取・販売を行う「ネット専業リユース事業」及び買取に際して付随的に発生する一部商材の業者向け卸販売を行う「その他事業」を展開している。

 従来、リユース品としての平均流通価格が平均数万円台となる「ハイブランド」しか取り扱いが難しかったのに対し、同社は大規模オペレーションによるコストダウン等により、同価格が数千円台となる「セカンドブランド」にまで取扱対象を順次拡大させており、より幅広い買取ニーズをとらえることを目指している。

 2016年9月期第3四半期業績実績は、売上高が73億1000万円、営業利益が2億9600万円、経常利益が2億9600万円、純利益が1億9600万円に着地。4月にブランド品宅配買取サイト「ブランディア」のWEBサイトを全面リニューアルしたほか、新しいバージョンのテレビCMも放映したことで認知度向上により買取額が増加し、15年9月期営業利益の約1.5倍と高い成長を遂げている。

 16年9月期業績予想は、売上高が98億5100万円(前期比14.2%増)、営業利益が3億3000万円(同69.0%増)、経常利益が3億0200万円(同50.3%増)、純利益が1億9400万円(同35.7%増)を見込んでいる。

 株価は、8月31日に公開価格1630円を41.1%上回る2300円で初値をつけた後、同日高値2380円と上昇。9月23日安値1515円まで調整した後、モミ合っている。9月5日に36万点の商品を「Yahoo!ショッピング」に出品し販売チャネルの一つとして本格的に出店を開始したと同6日に発表済み。販売しているブランドは約6,000種類、出品カテゴリーはファッション・ブランド・腕時計・アクセサリーと「ヤフオク!」と同様だが、より「セカンドブランド」を中心に販売していく新しいチャネルとしてさらなるユーザー獲得を見込んでおり、17年9月期業績に寄与する見通し。また、中長期では伊藤忠商事との資本業務提携の締結で、取扱い商品の拡大、海外販路の追加等取り扱いチャンネルの拡大、ビッグデータを利用した新ビジネス等による業容拡大が期待される。公開価格1630円を割り込み値ごろ感はあり、ここからの押し目はリバウンド狙いで買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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