ワークマンは好業績を見直して戻り試す、17年3月期は6期連続最高益更新予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ワークマン<7564>(JQ)はワーキングウェア・作業用品専門店チェーンをFC中心に全国展開し、円高メリットも寄与して17年3月期は6期連続最高純益更新予想である。さらに増額余地がありそうだ。株価は9月14日発表の立会外分売(9月21日終了)を嫌気する形で急落したが、目先的な売りが一巡して10月5日には急反発した。好業績を見直して戻りを試す展開だろう。なお10月31日に第2四半期累計業績発表を予定している。

■ワーキングウェア・作業用品の専門店チェーンを全国展開

 ワーキングウェアや作業用品などの大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴としてELP(エブリデー・ロー・プライス)戦略を推進し、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の拡販、販売分析データの活用や単品管理プロジェクトの推進、緻密な品揃えと地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。PB商品については売上構成比30%を目指している。

 16年3月期末店舗数は44都道府県下に、FC店が15年3月期末比12店舗増加の653店舗、直営店業務委託店舗が同5店舗増加の82店舗、直営店トレーニング・ストアが同横ばいの31店舗、総合計が同17店舗増加の766店舗だった。FC比率は同0.4ポイント低下して85.2%となった。16年3月期は大分県、沖縄県に初出店した。

 店舗展開ではドミナントエリアの強化、出店エリアの拡大、既存店スクラップ&ビルド(S&B)および不採算店舗閉鎖、年商2億円を目指す売場面積120坪店舗の構築などを推進している。人口10万人に1店舗として、中期的には25年に全国1000店舗を展開し、日本全国どこでも購入できる店舗展開を目指している。

 物流面では既存の伊勢崎流通センターがフル稼働状態のため、近接地に新伊勢崎流通センターを建設(17年2月完成予定)し、東日本の伊勢崎流通センター(新旧2センターの一体運営)と西日本の竜王流通センター(滋賀県)の2拠点で全国の店舗への物流をカバーする。

■第1四半期と第3四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別推移を見ると、15年3月期はチェーン全店売上高が第1四半期173億65百万円、第2四半期148億67百万円、第3四半期218億27百万円、第4四半期151億26百万円、営業総収入が125億22百万円、105億20百万円、150億63百万円、103億21百万円、営業利益が20億83百万円、13億88百万円、32億37百万円、16億31百万円だった。

 16年3月期は、チェーン全店売上高が181億27百万円、161億56百万円、211億46百万円、160億36百万円、営業総収入が126億71百万円、109億75百万円、149億83百万円、109億48百万円、営業利益が22億35百万円、18億30百万円、30億96百万円、16億46百万円だった。

 第1四半期と第3四半期の構成比が高い収益構造である。16年3月期の店舗展開は新規出店18店舗、閉店1店舗、S&B7店舗、チェーン全店売上高は15年3月期比3.3%増加した。既存店売上高は同2.2%増だった。客数は同3.6%減少したが、客単価は2540円で同5.9%増加した。

 加盟店向け商品供給売上高除く売上総利益率は60.6%で同1.7ポイント上昇、営業総利益率は34.7%で同0.3ポイント上昇、販管費比率は16.9%で同0.3ポイント低下した。またROEは13.5%で同0.5ポイント低下、自己資本比率は79.3%で同1.8ポイント上昇した。配当は6期連続増配で配当性向は30.1%だった。利益配分の基本方針は配当性向30%を目途としている。

 暖冬の影響でチェーン全店売上高と営業総収入が計画をやや下回ったが、利益率が改善して営業利益と経常利益は計画超の増益だった。既存店増収、新規出店、PB新商品積極投入、PB商品構成比上昇、客単価上昇、一品単価上昇、売上総利益率上昇、販管費抑制などが寄与した。店舗外装の変更と分かりやすい売場づくり、商品中心のテレビCMや専門誌への露出など新たなメディア戦略、アウトドアやスポーツなど客層拡大に向けた広告プロモーションの積極展開といった施策も寄与した。

 なお営業総収入の内訳は、加盟店向け商品供給売上高が同2.0%増の297億85百万円、直営店売上高が同6.1%増の66億42百万円、加盟店からの収入が同3.4%増の99億34百万円、その他の営業収入が同4.0%減の32億14百万円だった。

 PB商品は513アイテムを展開し、PB商品売上高は同26.4%増の145億81百万円、チェーン全店売上高に対するPB商品構成比は同3.8ポイント上昇して20.5%となった。運営形態別売上高はFCが同3.0%増の648億22百万円でチェーン全店売上高構成比90.7%、直営店が同6.1%増の66億42百万円でチェーン全店売上高構成比9.3%、年商1億円達成店舗数は同15店舗減少の328店舗だった。

■17年3月期第1四半期増収増益

 今期(17年3月期)第1四半期(4~6月)の非連結業績は、チェーン全店売上高が前年同期比5.6%増の191億51百万円となり、営業総収入が同4.6%増の132億57百万円、営業利益が同9.9%増の24億57百万円、経常利益が同8.6%増の27億51百万円、純利益が同11.3%増の17億09百万円だった。既存店が好調に推移し、円高メリットも寄与して増収増益だった。

 店舗展開は新規出店3店舗、閉店1店舗、S&B4店舗で、16年6月末店舗数は768店舗(16年3月期末比2店舗増加)、FC比率は84.9%となった。既存店売上高は同4.5%増だった。客数は同横ばいだったが、客単価は同4.4%増加した。PB商品は441アイテムを展開し、PB商品売上高は同46.3%増の47億58百万円、チェーン全店売上高に対するPB商品構成比は24.9%となった。

 なお運営形態別売上高は直営店が同10.4%増の18億45百万円、FCが同5.2%増の173億06百万円だった。また営業総収入の内訳は加盟店向け商品供給売上高が同3.7%増の79億62百万円、直営店売上高が同10.4%増の18億45百万円、加盟店からの収入が同5.5%増の26億29百万円、その他の営業収入が同0.8%減の8億21百万円だった。

 加盟店向け商品供給売上高除く売上総利益率は66.8%で同7.4ポイント上昇した。海外直接貿易取引の増加と為替の円高で仕入コストが減少した。営業総利益率は35.3%で同1.3ポイント上昇、販管費比率は16.8%で同0.4ポイント上昇した。

■17年3月期も増収増益で6期連続最高純益予想、さらに増額余地

 今期(17年3月期)の非連結業績予想(4月28日公表)は、チェーン全店売上高が前期(16年3月期)比4.5%増の746億70百万円で、営業総収入が同4.7%増の519億10百万円、営業利益が同5.4%増の92億70百万円、経常利益が同5.1%増の104億50百万円、純利益が同7.0%増の66億60百万円としている。既存店の好調、新規出店、PB商品売上構成比上昇による粗利益率上昇などで、6期連続の最高純益更新予想だ。

 配当予想は年間46円(期末一括)で予想配当性向は28.1%となる。16年4月1日付株式2分割を考慮して前期の年間92円を46円に換算すると、実質的に前期と同額となる。

 店舗展開は新規出店が関東・近畿地方を中心に30店舗、閉店が1店舗、S&Bが5店舗、期末総店舗数が同29店舗増加の795店舗(うちFC店672店舗、FC比率85%)の計画だ。既存店売上高は同2.6%増(客数が同0.5%増前後、客単価が同2.0%前後)で、PB商品売上高は同30.3%増の190億円、PB商品売上構成比は同4.5ポイント上昇の25.0%、販管費は同9.4%増の91億57百万円の計画としている。

 店舗展開ではドミナントエリア化の推進を図るとともに、土地リース契約主体で出店速度のアップを推進する。また個店売上向上に向けてワークマンプラス・プロジェクトを推進し、アウトドア・スポーツ向けに加え、働く女性向けアイテムの展開や地域特性を生かした売場づくりで客層拡大に取り組む。商品戦略面ではPB商品「WORKMAN BEST」の開発で他社との差別化を図る。

 PB比率30%と1000店舗体制に向けて、物流と発注システムを強化する。17年2月には新伊勢崎流通センターが稼働予定で、出荷精度の向上と在庫管理の効率化を図る。過去の販売データを基に発注推奨値をSKU単位で算出する店舗型需要予測発注システムは18年3月期本格導入を目指す。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率はチェーン全店売上高25.6%、営業総収入25.5%、営業利益26.5%、経常利益26.3%、純利益25.6%と順調な水準である。さらに円高による仕入コスト低下を勘案すれば通期会社予想に増額余地がありそうだ。

■既存店売上高は堅調

 なお月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、16年9月は全店101.5%、既存店99.5%で、既存店は2ヶ月連続の前年割れだった。気温が比較的高く推移したことでインナー類や防暑小物が伸長したが、前年の記録的な豪雨の影響で作業関連用品が伸長した反動減が影響した。ただし16年4月~9月累計は全店103.5%、既存店102.0%と堅調に推移している。なお9月の新規出店5店舗、閉店0店舗、16年9月末店舗数779店舗である。

■中期成長シナリオに変化なし

 テレビCM放映効果による知名度向上、積極的な新規出店、出店エリアの拡大、ドミナント出店の強化、PB商品力の強化、PB商品売上構成比上昇による売上総利益率改善、アルゴリズム自動選択型需要予測機能を持つ自社開発の発注システムによる発注作業の効率化などの効果で、中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は急落したが目先的な売り一巡、好業績を見直して戻り試す

 なお9月14日発表した立会外分売については9月21日に終了した。分売株数12万株、分売値段3130円だった。

 株価の動き(16年4月1日付で株式2分割)を見ると、9月14日発表の立会外分売(9月21日終了)を嫌気する形で急落した、9月29日と30日の3070円まで調整したが、10月5日には前日比285円(9.21%)高の3380円まで急反発する場面があった。目先的な売りが一巡したようだ。

 10月5日の終値3295円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS163円45銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1186円55銭で算出)は2.8倍近辺である。時価総額は約1348億円である。

 週足チャートで見ると一気に26週移動平均線を割り込んだが、2月の年初来安値2995円を割り込むことなく切り返し、3000円近辺に下値支持線を形成したようだ。好業績を見直して戻りを試す展開だろう。
(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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