【株式評論家の視点】シンクロ・フードは高値波乱の展開、下押す場面に買い妙味

株式評論家の視点

 シンクロ・フード<3963>(東マ)は、9月29日に東京証券取引所マザーズに上場した。「飲食業界に関わる人々をつなぎ、幸せにしていきたい」という想いを社名に込め、2003年に創業。インターネットとテクノロジーの力を最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・サービス」をタイムリーに結びつけ、食に関わる人々から必要とされるサービスを提供している。

 ユーザー(飲食店出店予定者・運営者・退店予定者)と、飲食店に関わる各事業者等を繋ぐ「飲食店.COM」を中心として、飲食店のライフサイクルにおけるすべてのフェーズにおいてWebサイトを運営し、飲食業支援のトータルサービスをプラットフォーム上で展開している。店舗運営業務上、定常的に必要となる「求人掲載・募集」、「食材仕入先探し」、「食材発注」等のサービスや、出店準備時や閉店・退店時に必要となる「店舗物件探し」、「厨房備品購入」、「内装デザイン・設計施行会社探し」等のサービス、及び、広告主に対する広告掲載やメールマガジン広告等のサービスを提供している。

 今2017年3月期第2四半期業績予想は、売上高が4億9000万円(前年同期比19.2%増)、営業利益が1億8000万円(同13.7%増)、経常利益が1億5600万円(同0.9%減)、純利益が1億0100万円(同6.3%減)を見込んでいる。

 通期業績予想は、売上高が10億1300万円(前期比19.4%増)、営業利益が3億6600万円(同14.2%増)、経常利益が3億4100万円(同5.6%増)、純利益が2億2100万円(同5.7%増)を見込んでいる。調達資金はエンジニアなどの人材採用やオフィスの増床に充てるため、配当は見送る方針。

 株価は、9月29日に公開価格2100円を41.4%上回る2970円で初値をつけ、同日高値3450円と買われた後、10月5日安値2517円まで短期調整を挟んで同7日高値4070円上昇。上げ一服となっている。「飲食店.COM」の6月における月間訪問者数は33.1万人(前年同期比26.2%増)、6月末時点における登録ユーザー数が10万件(同15.2%増)、重要な経営指標の有料ユーザー数については、1万5000件(同11.7%増)と順調に増加しているほか、「飲食店.COM」に対してサービス提供する不動産事業者や食材仕入事業者等の関連事業者についても、2,913社(同22.0%増)と順調に増加している。東京本社と大阪支社を中心に事業展開しているが、東海や九州など地方の進出を推し進めており、高い成長が続く見通し。高値波乱の展開も予想されるが、東証1部への変更を目指しており、下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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