セレスは調整一巡して6月高値目指す、16年12月期2桁増収増益予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 セレス<3696>(東マ)はスマホ向けポイントサイト運営が主力のスマートフォンメディア事業を展開している。16年12月期2桁増収増益予想で、東京証券取引所本則市場への市場変更申請も発表している。株価は調整一巡して戻り歩調だ。FinTech・O2O関連などのテーマ性も注目され、6月の上場来高値を目指す展開だろう。

■ポイントサイト運営などスマートフォンメディア事業を展開

 国内最大級のスマホ向けポイントサイト「モッピー」をはじめ、ポイントメディア「モバトク」「お財布.com」およびHRメディア「モッピージョブ」を運営するスマートフォンメディア事業を展開している。

 15年12月期の事業別売上高構成比はポイントメディア事業98%、HRメディア事業2%だった。ポイントメディア事業の「モッピー」「モバトク」「お財布.com」は広告閲覧、スマホアプリダウンロード、ショッピング、アンケートなどのアクションに応じて、現金・電子マネー・ビットコイン等との交換が可能なポイントが貯まる無料会員サービスを提供している。HRメディア事業の「モッピージョブ」はアルバイト求人広告サイトで、成功報酬型などの広告収入が収益柱である。

■自社運営メディア利用価値最大化を目指す

自社運営メディアの利用価値を最大化することを目指し、M&A・アライアンスも積極活用してユーザー数拡大や掲載広告数増加を推進している。ポイントメディア事業の強化、自社運営メディアのポイントとビットコインのビジネスシナジーの強化などを推進するとともに、中期的にはウェアラブルメディア(ウェアラブル広告)としてのスマートウォッチ向けアプリサービスの提供、スマートフォン端末と自社ポイントメディアを活用したO2Oビジネス分野への進出などにより、事業収入の多様化を図る方針を打ち出している。

15年4月オープンキューブから「お財布.com」譲り受け、15年5月ビットコイン販売・買取・決済サービスのbitFlyerと業務提携、15年8月ビットコインサービス「coincheck」提供のレジュプレスと資本業務提携、15年9月ブロックチェーン技術を基に非中央集権型クラウドコンピューティングシステム「orb」を開発するOrbに出資(当社含む5社)、15年12月一般社団法人FinTech協会に入会、15年12月ビットコインサービス「ビットバンクウォレット」「ビットバンクトレード」のビットバンクに追加出資および業務提携した。

16年5月決済連動マーケティングCLO(Card Linked Offer)アプリ「CRECO」のアイ・ティ・リアライズと資本業務提携、16年6月東京大学発ベンチャー企業のジャノムとビットコインに関するアプリケーション共同開発で業務提携、O2O関連サービスの共同開発でゆめみと資本業務提携(31%出資して持分法適用関連会社化)した。

16年7月には、スマホ向けビットコイン関連サービス「breadwallet」を提供する米国のベンチャー企業breadwallet社との資本業務提携を発表した。16年8月には「モッピー」「モバトク」「お財布.com」が、LINE<3938>の「LINEポイント」とポイント交換で連携すると発表した。また「モッピー」においてセブン・カードサービスの「nanacoポイント」とポイント交換を開始すると発表した。

9月16日には新規事業として仮想通貨ビットコイン送金サービス「CoinTip」を開始すると発表した。事業開始日は16年11月中の予定としている。16年6月業務提携した東京大学発ベンチャー企業ジャノムとの共同開発第一弾となる。

また9月27日には三井住友フィナンシャルグループのセディナと提携して、ポイントチャージが可能な国際ブランド付きプリペイドカード「POINT WALLET VISA PREPAID」を発行し、O2O事業としてポイント決済サービスを開始すると発表した。世界中のVISA加盟店でポイントを利用することが可能となり、各サイトが発行するポイントの利便性が飛躍的に高まる。

■四半期ベースで増収基調

15年12月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期6億71百万円、第2四半期7億95百万円、第3四半期8億50百万円、第4四半期8億49百万円、営業利益は1億05百万円、1億23百万円、1億59百万円、76百万円だった。四半期ベースで増収基調である。

なお15年12月期の売上総利益率は36.6%で14年12月期比2.0ポイント低下、販管費比率は21.9%で同3.1ポイント低下、ROEは15.2%で同16.2ポイント低下、自己資本比率は57.2%で同8.3ポイント上昇した。

■16年12月期第2四半期累計は大幅増収増益

今期(16年12月期)第2四半期累計(1~6月)の非連結業績は売上高が前年同期比比23.2%増の18億08百万円、営業利益が同28.0%増の2億94百万円、経常利益が同26.3%増の2億87百万円、純利益が同13.1%増の1億52百万円だった。

プロモーション強化やM&Aを含めた積極投資の効果でポイントメディア会員数が順調に増加し、人件費や広告宣伝費の増加を増収効果で吸収した。16年6月末ポイントサイト登録会員数は289万人(15年6月末比43万人増加、16年3月末比11万人増加)となった。HRメディア「モッピージョブ」求人広告掲載件数は、16年末までに大手メディア並み10万件という目標に対して、16年6月末時点で約8.3万件となった。

売上総利益は同18.9%増加したが、売上総利益率は37.1%で同1.4ポイント低下した。販管費は同12.6%増加し、販管費比率は20.9%で同1.9ポイント低下した。16年6月末時点の従業員数(役員除く)は同13名増加の81名(うち正社員64名)となった。4月に初めての新卒社員が入社した。特別損失では投資有価証券評価損29百万円を計上した。

四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期9億03百万円、第2四半期9億04百万円、営業利益は1億63百万円、1億30百万円だった。第2四半期の売上高は四半期ベースで過去最高だった。

■16年12月期通期2桁増収増益予想で増額余地

今期(16年12月期)通期の非連結業績予想(2月12日公表)は売上高が前期(15年12月期)比15.3%増の36億52百万円、営業利益が同11.8%増の5億20百万円、経常利益が同10.6%増の5億07百万円、そして純利益が同20.1%増の3億23百万円としている。ポイントサイト登録会員数が増加基調であり、HRメディア「モッピージョブ」求人広告掲載件数も伸長して、2桁増収増益予想である。配当は無配継続としている。

通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.5%、営業利益が56.6%、経常利益が56.7%、純利益が47.3%と利益進捗率が高水準である。四半期ベースで増収基調であることも考慮すれば通期会社予想に増額余地があるだろう。

なお出資先であるバリューデザイン<3960>が9月26日に東証マザーズへ新規上場した。

■東京証券取引所本則市場への市場変更を申請

9月26日には、社会的な認知度や信用力を高め、さらなる企業規模拡大と企業価値向上を図る目的で、東京証券取引所本則市場への市場変更を申請したと発表している。

また10月7日には第三者割当による行使価額修正条項付第4回新株予約権(行使指定・停止指定条項付)の発行を発表している。割当日16年10月25日、新株予約権の総数1万4000個(1個につき100株で潜在株式数140万株)、当初行使価額1934円(下限行使価額1353円)、資金調達額(差引手取概算額)約27億10百万円で、割当先は野村証券である。

■株価は調整一巡して戻り歩調、6月の上場来高値目指す

株価の動きを見ると、8月8日の直近安値1463円から徐々に下値を切り上げている。10月3日には2126円まで上伸する場面があった。戻り歩調だ。

10月18日の終値2010円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS36円65銭で算出)は55倍近辺、前期実績PBR(前期実績BPS215円90銭で算出)は9.3倍近辺である。時価総額は約187億円である。

日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。6月の上場来高値2849円を目指す展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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