久世の株価は10日発表の第2四半期が好業績であったが、翌11日には39円安となる

■新規顧客開拓が進み約13億円の売上が加わる

 久世<2708>(JQS)の株価は、10日発表の第2四半期が好業績であったものの、翌11日には前日比39円安の802円と下げた。その後も、ほぼ横ばいで推移している。

 同社は、2015年3月期に売上拡大を目指したが、利益率が低下し赤字となったことを反省し、利益率の向上に重点を置いた経営戦略を推進し、2016年3月期は、減収ながら大幅増益と黒字転換に成功している。

 今期第2四半期は、大口取引先のモンテローザとの取引終了により、減収となったものの、売上高303億49百万円(前年同期比10.1%減)、営業利益2億01百万円(前年同期△31百万円)、経常利益2億50百万円(前年同期比204.7%増)、純利益1億71百万円(同51.1%増)となっている。

 売上高については、モンテローザの売上高約47億円が無くなったが、新規顧客開拓が進み、約13億円の売上が加わったことで、303億49百万円となっている。

 利益については、売上総利益率が19.1%(前年同期16.9%)と2.2ポイント改善したことに加え、物流費を5億円削減したこともあり、販管費が56億10百万円(同57億54百万円)と減少したことから、大幅増益となった。

 第2四半期は、利益面において、当初予想を上回る見込みであったことから、9日に上方修正を発表しているように順調といえるが、通期業績予想については、当初予想を据え置いている。

 今期17年3月期連結業績予想は、売上高630億円(前期比6.2%減)、営業利益4億85百万円(同10.4%増)、経常利益5億30百万円(同10.7%減)、純利益3億80百万円(同21.8%減)を見込んでいる。

 売上高については、モンテローザとの取引終了の影響で減収を見込むが、営業利益は、利益率の改善に伴い2ケタ増益を見込む。経常利益と純利益が減益を見込むのは、前期に保険解約金60百万円、有価証券売却益85百万円が計上された影響によるもの。

 新規顧客の開拓も順調であることに加え、売上総利益率の改善、物流効率の改善による物流費の削減が実現していることから、株価の見直しは進むものと思われる。

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