【木村隆のマーケット&銘柄観察】NOKはスマホ向け部品好調などで今期増額へ

木村隆のマーケット&銘柄観察

NOK<7240>(東1)の増額修正の動きが注目される。グローバルでの自動車生産、およびスマートフォン等の電子機器製品が好調に推移したほか、歩留まり改善、原価低減が想定以上に奏功したことにより、今3月期の営業利益は従来予想の420億円を大きく上回る528億円(前期325億円)に達する見通しとなった。2005年3月期の488億円を上回る過去最高の営業利益となる。

同社は自動車や機械に使われる軸受部分の油止め部品、オイルシールの独立系国内大手メーカー。加えて、スマートフォンやタブレット端末、ハードディスクドライブなどに使用される柔軟性のある回路基板、フレキシブル基板を中心とした電子機器部品も手がける。

その電子機器部品が好調だ。フレキシブル基板を主力製品とする電子機器部品事業は、スマートフォンやタブレット端末向けなど新しい用途が増える傾向にあり市場自体が伸びている。また、海外大手携帯電話メーカーからの受注を獲得できていること、さらにこれまで取引関係が薄かった顧客からの注文も増えている。

エンジンやトランスミッションの油漏れ防止に使用されるシール事業では、日系自動車メーカーの世界的な自動車生産の拡大の恩恵を受けるほか、中国拠点では欧米自動車メーカーや中国現地自動車メーカー向けの拡販も進む見通し。また、自動車の電装化の進展により、車載用フレキシブル基板の搭載率アップも寄与する見通し。

今後は会社計画の上方修正が好感され、株価の反転が期待できそう。決算発表は11月11日に予定され、そこへ向け人気が盛り上がる方向が予想される。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

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