ヨシムラ・フード・ホールディングスは17年2月期大幅増収・営業増益予想、株主優待制度拡充も好感

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東マ)は食品関連の中小企業をM&Aで支援・活性化するビジネスモデルを展開している。17年2月期は既存事業の成長と新規M&A効果で大幅増収・営業増益予想である。11月28日に株主優待制度の変更(拡充)を発表した。これを好感する形で株価は大幅上昇した。自律調整が一巡して8月の上場来高値を目指す展開だろう。

■中小食品関連企業をM&Aで支援・活性化するビジネスモデル

 食品関連企業を傘下に置く持株会社である。事業承継などの課題を抱える食品関連の中小企業を、中長期視点で支援・活性化するプラットフォーム(営業、製造、仕入・物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに横断的に管理して業績拡大を図る中小企業支援プラットフォーム)を基本ビジネスモデルとしている。

 食品関連の中小企業に対するM&Aで業容を拡大し、幅広い中小企業の受け皿になっている一方で、グループ化した子会社の売却を目的としていないことも特徴だ。ビジネスモデルの独自性が評価されて、2014年には官民ファンドの産業革新機構から出資を受けている。

 16年2月期末の連結子会社は、製造事業セグメントでシウマイ・餃子(チルドシウマイの生産量国内トップ)の楽陽食品、乾麺(宮城県白石市特産の白石温麺が主力)の白石興産、冷凍かきフライが主力のオーブン、ピーナッツバターのパイオニアであるダイショウ、岩手県の地場酒造10社で設立した日本酒の桜顔酒造、まぐろ加工品の雄北水産、販売事業セグメントで業務用惣菜(業務用食材の企画・販売を主力として、自社で物流機能を持たずに販売先へ直送するビジネスモデル)のヨシムラ・フード、宅配等(冷凍食品の企画・販売、全国の生活協同組合と直接口座を保有)のジョイ・ダイニング・プロダクツの合計8社である。

 16年2月期のセグメント別売上高は、製造事業が87億48百万円(楽陽食品が40億円、オーブンが25億35百万円、白石興産が9億05百万円、ダイショウが5億89百万円、雄北水産が4億85百万円、桜顔酒造が3億57百万円)で、販売事業が40億85百万円(ヨシムラ・フードが43億84百万円、ジョイ・ダイニング・プロダクツが8億70百万円)だった。

■M&Aと既存事業の両輪による成長を目指す

 中期成長戦略では、M&Aによる傘下企業の増加および既存事業の成長・拡大という、両輪による成長を強化する方針を掲げている。事業承継などの課題を抱える食品関連の中小企業の数は今後ますます増加することが予想され、M&Aのさらなる推進を図る。またグループシナジーの拡大を図るために、営業、製造、仕入・物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに横断的に管理して業績拡大を図る中小企業支援プラットフォームのさらなる強化、および両輪に係る人材の強化を図る。

 16年7月にはゼリー等のデザート類を主力とする純和食品を子会社化した。埼玉県食品衛生自主管理優良施設確認制度(彩の国ハサップ)において優良施設に認定された高い品質管理体制などで、イオングループをはじめとした大手スーパー量販店向けOEM生産も拡大している。

 16年9月には栄川酒造を子会社化した。業歴約150年を誇り、福島県会津地方を代表する酒造事業者である。また自社製造惣菜(彩の国優良ブランド品に認証されている「むさし野とんかつ」が主力)や輸入食肉加工品のエスケーフーズを子会社化した。

■M&Aで収益拡大基調、冬季に利益偏重の収益構造

 積極的なM&A効果で収益が急拡大している。またグループ内でさまざまな食品商材を扱っているため、個人消費動向や原材料価格動向の影響を受けやすく、さらに製品の性質上、季節変動の影響を受けやすい収益構造である。現在は冬季(10月から12月)に販売のピークを迎える製品を多く取り扱っているため、冬季の利益が偏重している。

 16年2月期連結業績は15年2月期比12.8%増収、48.9%営業増益、38.3%経常増益、99.2%最終増益だった。楽陽薬品がチルド餃子などの好調で15.6%増収、ヨシムラ・フードが冷食販売などの好調で8.4%増収となり、雄北水産の連結(15年2月)も寄与した。売上総利益は同14.9%増加し、売上総利益率は21.1%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同11.4%増加したが、販管費比率は18.5%で同0.3ポイント低下した。ROEは17.1%で同6.7ポイント上昇、自己資本比率は49.3%で同1.1ポイント上昇した。

■17年2月期第2四半期累計は計画超で実質大幅増収増益

 今期(17年2月期)第2四半期累計(3~8月)連結業績は、売上高が69億03百万円、営業利益が2億43百万円、経常利益が2億48百万円、純利益が1億63百万円だった。前年同期は四半期財務諸表を作成していないため比較はできないが、参考値として前年同期比12.5%増収、68.2%営業増益、70.9%経常増益、76.3%最終増益としている。計画超で実質大幅増収増益だった。

 7月子会社化した純和食品の新規連結に加えて、楽陽食品のチルドシウマイやヨシムラ・フードの冷凍原料が好調に推移した。積極的な設備投資による生産性向上も寄与した。売上総利益は同18.2%増加し、売上総利益率は22.3%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同11.9%増加したが、販管費比率は18.8%で同0.1ポイント低下した。セグメント別に見ると製造事業は売上高が同14.1%増の48億24百万円で営業利益が3億26百万円、販売事業は売上高が同9.0%増の20億79百万円で営業利益が92百万円だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期33億47百万円、第2四半期35億56百万円、営業利益は1億45百万円、98百万円だった。

■17年2月期通期は新規M&A効果も寄与して大幅増収・営業増益予想

 今期(17年2月期)通期の連結業績予想(9月子会社化した栄川酒造とエスケーフーズの新規連結に伴って9月1日に2回目の増額修正)は、売上高が前期(16年2月期)比29.2%増の165億85百万円、営業利益が同24.6%増の4億08百万円、経常利益が同25.0%増の4億10百万円、純利益が同48.1%減の2億39百万円としている。

 純利益は前期特別利益に計上した収用補償金5億15百万円が一巡するため減益予想だが、楽陽食品など既存事業の好調と純和食品など新規M&A効果で大幅増収・営業増益・経常増益予想である。なお純和食品の業績は製品の性質上、夏季が繁忙期となり、冬季が閑散期となる。またエスケーフーズ単体では利益を計上するが、連結決算では同社取得に係る費用を今期一括計上する。セグメント別売上高の計画は製造事業が同41.0%増の123億34百万円、販売事業が同5.5%増の43億11百万円としている。

 配当予想は無配継続としている。なお利益配分については、現在は成長過程のため、設備投資等による積極的な事業展開およびプラットフォーム拡充による経営基盤の強化を図るための投資等に充当させることが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えているため、設立以来配当は実施していない。今後においても当面の間は事業拡大のための投資および既存事業の必要運転資金とする方針としている。将来的には各事業年度の経営成績および財政状態を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく方針としている。

 楽陽食品のチルド餃子の販売好調、ダイショウの販売エリア拡大効果など既存事業の成長に加えて、M&Aによる新規連結効果も寄与して収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年2月末および8月末に実施、対象株主を拡充

 株主優待制度は毎年2月末日および8月末日に実施している。

 11月28日に株主優待制度の変更(拡充)を発表した。対象株主を拡充し、変更後は100株~499株保有株主に対して年1回(毎年2月末日)1200円相当の当社グループ製品、500株以上保有株主に対して年2回(毎年2月末日と8月末日)それぞれ3000円相当の当社グループ製品を贈呈する。17年2月期末から実施する。

■株価は自律調整一巡して8月の上場来高値目指す

 11月30日の終値1522円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円20銭で算出)は28.22倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS752円29銭で算出)は1.96倍である。時価総額は約69億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。自律調整が一巡して8月の上場来高値1800円を目指す展開だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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