【株式評論家の視点】キャリアは業容拡大が続く、新サービス「ソーシング・モーニング」を開始

株式評論家の視点

 キャリア<6198>(東マ)は、本年6月27日に東京証券取引所マザーズに上場。高齢化社会が進行する日本国内の人材市場において、2020年までに340万人の労働人口が減少、介護市場では介護施設が増加し人手不足が大きな課題となる中、同社はこの2つの課題に高齢化社会型人材サービス企業として応えている。

 シニアワーク事業では、55歳以上の働く意欲のある人を「アクティブシニア」と定義し、アクティブシニアの積極的な就労機会の開拓を行っている。これまでシニアの就業機会のなかった職場であっても、シニアの特性、企業の業務フローを理解したシニア活用コンサルタントが業務分析及び業務フローの改善提案をクライアントに行うことで、シニアでも対応可能な業務の抽出を行っている。シニアケア事業では、介護施設を中心に看護師や介護士等の有資格者の人材派遣、人材紹介及び紹介予定派遣を行っている。

 前2016年9月期業績実績は、売上高が74億1500万円(前の期比28.0%増)、営業利益が4億1700万円(同58.5%増)、経常利益が4億1700万円(同42.5%増)、純利益が2億6300万円(同37.1%増)に着地。

 今17年3月期業績予想は、売上高が92億0700万円(前期比24.2%増)、営業利益が5億4200万円(同30.0%増)、経常利益が5億5000万円(同31.9%増)、純利益が3億4500万円(同31.2%増)と2ケタ増収増益の連続最高益更新を見込む。年間配当は期末一括15円継続を予定している。

 株価は、7月4日につけた上場来の高値7140円から8月18日に上場来の安値2410円まで66%の調整を挟んで10月11日高値4965円と上昇。11月9日安値2999円と売り直された後、切り返し急となっている。11月17日大引け後にアクティブシニアの新しい働き方として、新サービス「ソーシング・モーニング」を開始すると発表。企業において時間外労働として行われていた残業から外部への委託が可能な業務を抽出し、朝型ライフスタイルのアクティブシニアが早朝2~3時間で請け負いクライアントの始業前に納品するサービスで、日中に行うことが困難な業務や業務過多などに起因する時間外労働を、業種を問わず幅広く請け負うことによってクライアントのメリット最大化を図り、より多くのアクティブシニアの雇用創出を目指すことから、今後も業容拡大が続くと予想される。3000円どころを下値として固めており、上値抵抗線となる4965円抜けから一段と騰勢を強める可能性大だろう。(株式評論家・信濃川)

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