【編集長の視点】デュアルタップは増益転換業績を手掛かりに内需割安株買いが拡大して一段の戻りにトライ

 デュアルタップ<3469>(JQS)の前週末9日の株価は、17円高の1574円と反発して引けており、今年11月9日に明らかになった米国大統領選挙でのトランプ候補の当選を受けて瞬間的に突っ込んだ上場来安値1142円からの底上げを鮮明化している。同社株の今6月期業績の連続増収・増益転換予想を見直し、なお割り負けているとして内需株買いが再燃したもので、週明け以降の今週も、さらに戻りを試す展開が続くことを示唆している。同社の自社ブランドマンション「XEBEC(ジーベック)シリーズ」の物件発売が、順調に続いているほか、テクニカル的にも、今年7月21日の新規株式公開(IPO)時につけた上場来高値から上場来安値への3分の1戻しをクリアしており、半値戻し、全値戻しへの期待を高めている。

■「ジーベックシリーズ」の今期販売戸数は前期比29.2%増の296戸と計画

 同社の今6月期業績は、前期業績が建設コストの上昇などが響いて減益転換したあとを受け、売り上げ94億6800万円(前期比35.3%増)、営業利益4億4000万円(同7.1%増)、経常利益3億3300万円(同1.1%増)、純利益2億1300万円(同1.1%増)と増益転換を見込み、売り上げ、営業利益は過去最高となる。東京23区内に特化して高利回り優良物件を求める投資家向けに販売する「ジーベックシリーズ」のマンションで、販売戸数を296戸(同29.2%増)、販売した物件の管理を受託する賃貸管理戸数を1486戸(同19.2%増)と計画し、マレーシアで展開している不動産賃貸・仲介事業などの海外事業が上乗せとなることなどが寄与する。

 「ジーベックシリーズ」のマンションは、今年11月下旬に「東日暮里Ⅰ」(総戸数25戸)、「大山」(同25戸)が入居済みとなったほか、さらに「東日暮里Ⅱ」(同29戸)の販売を計画しており、今期の開発・販売物件の平均利回りは4.3%前後と見込んでいるだけに順調な推移が予想されている。

■最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しをクリアもPERはなお7倍台と割り負け

 株価は、今年7月のIPO時に公開価格1110円の公開価格に対して2520円で初値をつけ即日、上場来高値2611円まで買い進まれる展開となり、1400円台で値固めを続けてきたが、米大統領選挙でのトランプ候補当選のネガティブ・サプライズで瞬間的に上場来安値1142円に突っ込んだ。同安値からは下げ過ぎとして底上げ、最高値から最安値への調整幅の3分の1戻し水準までリバウンドした。PER評価ではなお7倍台と下げ過ぎを示唆しており、半値戻しの1800円台クリアから全値戻しへの弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭二)

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る