【編集長の視点】グッドコムAは続落も増収益転換業績を手掛かりに最安値水準から超割安直近IPO株買いの再燃が有力

 グッドコムアセット<グッドコムA、3475>(JQS)は、前日12日に25円安の2048円と4営業日続落して引けた。同社株は、昨年12月8日に新規株式公開(IPO)され、IPO時の高人気からセカンダリーでは地相場を模索する動きを続けているが、昨年12月19日につけた上場来安値1960円を目前とした安値水準では、同社の今10月期業績の増益転換予想を手掛かりに超割安として直近IPO株買いが再燃する展開が有力視されている。同社の露出度アップにつながるサッカーのJリーグ2部の「東京ヴェルディ1969フットボールクラブ(東京都稲城市)」とスポンサー契約を締結したことや、独立系の投資顧問会社スパークス・アセット・マネジメントが、同社株式を新規取得したことも、側面支援材料となりそうだ。

■今期総販売戸数は26%増と伸び海外販売物件の平均単価も66%アップ

 同社の業績は、IPO後初決算の前2016年10月期業績が、期初計画を上ぶれ減収減益率を縮めて着地したあと、今2017年10月期業績は、売り上げ88億7900万円(前期比20.1%増)、営業利益9億9100万円(同6.7%増)、経常利益8億9800万円(同3.5%増)、純利益5億7000万円(同1.3%増)と増収増益転換が予想されている。同社は、都内23区に特化し駅から徒歩10分以内に限定して投資用新築マンション「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの開発・販売・管理事業を展開しているが、前期業績と同様に円高による海外投資家向けの海外販売の伸び悩みを国内販売戸数の続伸でカバーして総販売戸数が前期比26.3%増と続伸、地価上昇と仕入金額増加、事業拡大に伴う人件費増などを吸収することが要因となる。

 前期の総販売戸数は、円高の影響で海外販売が12戸(前々期比49戸)と落ち込んだが、国内業者販売に機動的にシフトして販売戸数が133戸(同38戸)と伸び、国内自社販売も、販売戸数は106戸(同17戸)と減少したものの、前期下期から単価の高いファミリータイプ(FR)物件の販売を積極化、売り上げが前々期比4.2%増の32億500万円、セグメント利益が同51.7%増の5億6700万円となったことが、前期業績の上ぶれ着地に寄与した。今2017年10月期は、国内自社販売が132戸、国内業者販売が179戸、海外販売が6戸の合計312戸(前期実績251戸)と前期比26.3%増を計画、海外販売も、台湾、中国などで積極的に販促活動を続け平均販売単価を6100万円(前期実績3670万円)と同66.2%アップを計画しており、増収増益転換をサポートする。

■PER評価はわずか4倍台に放置され内需系バリュー株として底上げへ再発進

 株価は、1950円を公開価格にIPOされ、2582円で初値をつけ上場来高値2632円まで買い進まれ、この高人気の反動で上場来安値1960円まで突っ込み、スパークス・アセット・マネジメントの新規取得判明でいったん2250円へ急反発したが、年末相場の手仕舞い売りで再度、1986円と調整、公開価格を試す展開となった。同安値からは、昨年末発表のマンション用地購入で2198円高値まで持ち直し、地相場模索を続けた。PERはわずか4倍台の超割安評価にとどまっており、全般相場の先行きが、トランプ・リスクで再不透明化するなか、好業績・好需給をベーアに内需系のバリュー株評価を高め最高値奪回に再発進する展開を強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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