【株式評論家の視点】京写は10月-12月期業績が順調に推移、中長期的な視点で押し目買い妙味

株式評論家の視点

 京写<6837>(JQS)は、1959年に京友禅の捺染用スクリーン型の製造・販売会社として発足し、その技術を活かして1967年にプリント配線板の製造開発に着手、以来今日まで着実に成長を続けている。世界一の片面プリント配線板メーカーとして年間540万m2の生産能力を誇り、新製品の粉落レスKyosha-MAXRをはじめ、商品の高密度、高性能化、低コスト化を実現。リジット基板から高多層における新工法PALAPR基板まで、幅広い商品開発を実現して顧客ニーズに応えている。

 今2017年3月期を初年度とする5か年の中期経営計画では、最終年度の2021年3月期売上高280億円、営業利益17億円、営業利益率6%、ROE(株主資本利益率)15%を目指しているが、「企業間連携を活用し電子回路デバイス分野において独自技術を武器に成長分野を攻める」を基本戦略として、成長戦略、IT・人財・管理戦略、財務戦略を掲げ、グローバル体制を活かして、海外の非日系顧客向け拡販と生産体制の効率化及び新製品の開発、品質向上など一層の経営基盤の強化に取り組んでいる。

 今17年3月期第3四半期業績実績は、売上高が143億2600万円(前年同期比1.0%減)、営業利益が4億9500万円(同4.3%増)、経常利益が5億1300万円(同7.1%増)、純利益が3億8100万円(同21.7%減)に着地。プリント配線板事業で第3四半期後半から特に自動車関連分野、 スマートグリッド関連の受注が好調で前年同四半期を上回ったほか、海外では中国の自動車関連分野が好調、 映像関連分野において非日系顧客からの受注が拡大し、10月-12月期営業利益は前年同期比17.2%増の2億5900万円(7月-9月期営業利益は1億3200万円)と順調に推移している。

 今17年3月期業績予想は、売上高が200億円(前期比3.2%増)、営業利益が7億5000万円(同44.9%増)、経常利益が7億円(同36.0%増)、純利益が5億円(同5.6%増)を見込む。年間配当は期末一括8円継続を予定している。

 株価は、昨年2月12日につけた昨年来の安値235円、同6月28日安値251円と下げて底値確認から同12月12日高値355円と上昇。その後、モミ合っている。中計初年度の今17年3月期の第3四半期業績は順調に推移し、中計2年目となる18年3月期受注堅調で増収増益が観測されており、今後の展開に対する期待感が高まる。今期予想PER9倍台・PBR0.81倍と割安感がある。配当利回り2.5%の320円割れが下値として意識されており、中長期的な視点で押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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