マーケットエンタープライズの今第2四半期連結業績は事業拡大のための人件費、広告費、設備関連費が嵩み増収ならが減益

■農機具商材、MVNO(仮想移動体通信)事業へ新規参入

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)の今第2四半期連結業績は、事業拡大のための人件費、広告費、設備関連費用が嵩んだことにより、増収ならが減益となった。

 第2四半期連結業績は、売上高25億95百万円(前年同期比10.9%増)、売上総利益11億40百万円(同3.3%増)、販管費12億12百万円(同19.2%増)、営業利益△71百万円(前年同期87百万円)、経常利益△67百万円(同87百万円)、純利益△54百万円(同53百万円)となった。

 売上高に関しては、広告宣伝強化とアライアンス強化により仕入れ量が増加したことで増収となった。
 利益面については、高機能スマホなど、低粗利率商品の取扱い増により、粗利利率が低下したことに加え、事業拡大のための先行投資が嵩んだことで減益となった。

 同社は、販売店舗を持たない、インターネットに特化したリユース品の買取・販売事業を展開している。

 仕入れ方法としては、買取専門の28サイト活用している。現在、全国から月間約3万件の買取依頼が同社のコンタクトセンターに寄せられている。コンタクトセンターでは、商品の事前査定を行い、買取価格・買取方法などを提案する。買取方法としては、自宅まで出向いて買取る出張買取、宅配してもらう宅配買取、店頭に持って来てもらう店頭買取の3つのチャネルを活用している。買取った商品は、全国の8拠点のリユースセンターで一括管理。販売する際は、すべてネット通販で行っている。販売サイトとしては、ヤフオク、楽天市場、Amazon、eBay、ReReを活用している。

 第2四半期間のトピックスとしては、新規領域への展開、人員拡充が挙げられる。
 新規領域の展開としては、農機具商材へ進出するとともに、MVNO(仮想移動体通信)事業へも本格的に進出している。
 人員拡充については、仕入れ面のタッチポイント強化に向けたコンタクトセンター人員の拡充とWEBサービスの拡充に向けたITエンジニアの拡充を実施している。

 新規参入する農機具商材に関しては、農業従事者の高齢化が進み離農する農家が増加している一方で、国策による就農支援が活発化し、新規就農者数は、2013年5万810人、2014年5万7650人、2015年6万5030人と増えていることから、低コストの農機具需要が高まっている。そこで、同社は、トラクター、コンバイン、田植え機等を販売するサイト「農機具高く売れるドットコム」を立ち上げ買取販売を行う。

 MVNO事業に関しては、昨年9月27日より子会社、MEモバイルが中古スマートフォンやタブレットを扱う低価格通話サービス「カシモ」の提供を開始している。背景には、中古携帯市場が2017年315万台、2018年330万台、2019年445万台と拡大すると予想されることにある。そこで、同社では、子会社MEモバイルを設立し、中古携帯と格安SIMを組み合わせた低価格のMVNО事業に参入している。同社にとっては、初のストック型の収益モデルとなり今後の業績に大きく貢献してくるものと予想される。

 今17年6月期通期連結業績予想は、売上高59億70百万円(前期比22.7%増)、営業利益05百万円(前期96百万円)、経常利益17百万円(同93百万円)、純利益06百万円(同49百万円)を見込んでいる。

 同社が属するEC市場は、年々拡大している。2011年から2015年までのEC市場規模推移を見ると、8兆4600億円、9兆5100億円、11兆1700億円、12兆7900億円、13兆77百億円と市場規模は拡大している。また、EC化率(全消費に占めるECの割合)は、3.17%、3.4%、3.85%、4.37%、4.75%と上昇している。しかし、英国、韓国では、10%超、中国では20%を超えていることから、日本でのEC化率は今後も伸びるものと予想される。同社にとって、市場環境は良好といえる。(TA)

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