【株式評論家の視点】富士ソフトサービスビューローは官公庁系の案件を複数受注、下押す場面は買い妙味

株式評論家の視点

 富士ソフトサービスビューロー<6188>(JQS)は、昨年3月15日に東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)に上場。同社は、官公庁や金融業界向けのデータエントリー(電算入力)の専門会社として1984年にサービスを開始した後、顧客の業務効率化、合理化のニーズに的確に応えるよう、積極的に事業領域の拡大を図り、現在ではコールセンター・BPO・ITをフルパッケージで提供する「トータル・アウトソーシング企業」として、サービスの付加価値向上に取り組んでいる。

 中長期方針では、「トータル・アウトソーシング・サービス」をさらに拡大するうえで、「価格」だけでなく「専門性」「品質」に一層の強化を図り、同社が長年培った運用ノウハウと高い技術力をベースに、経営資源を年金相談・ITヘルプデスク・金融系分野に集中した「特化型コールセンターを中心としたBPOサービス」を中心に、競合企業との差別化を図り、さらに積極的に事業を展開している。また、顧客ニーズに的確に応えるため、さらなる「事業エリアの拡大」「積極的な人材採用」による体制の整備も進めている。

 2月13日大引け後に発表した今2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が59億5300万円(前年同期比3.5%増)、営業利益が1億0500万円(同39.2%減)、経常利益が1億0700万円(同38.7%減)、純利益が7600万円(同32.4%減)に着地。コールセンターサービス分野では、官公庁向けの案件を中心に引き続き堅調に推移。BPOサービス分野では、10月から7つの地域で稼働した日本年金機構様の「事務センターにおける入 力業務・共同処理委託」案件が業績に貢献し、売上は好調に推移したが、新規受注大型案件にかかる先行費用が発生したため増収減益となった。

 今17年3月期業績予想は、売上高が83億円(前期比5.6%増)、営業利益が2億7000万円(同7.8%増)、経常利益が2億7000万円(同6.9%増)、純利益が1億7200万円(同5.5%増)になる見通し。年間配当は期末一括20円継続を予定している。

 株価は、昨年3月15日につけた上場来の高値1170円から同6月24日に上場来の安値567円まで調整。同11月9日安値613円と下げて底値確認から1月11日高値838円と上昇。その後、800円を軸にモミ合っている。地方公共団体情報システム機構の「公的個人認証サービス利用者ヘルプデスク運用業務」をはじめとして、官公庁系の案件を新たに複数受注するなど、中長期の成長に寄与する受注活動を推し進めており、増収増益を確保できる見通し。今期予想PER10倍台と割安感があり、配当利回り2.5%と利回り妙味もソコソコある。13週移動平均線がサポートしており、ここから下押す場面は中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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