巴工業は17年10月期第1四半期業績発表後の目先的な売り一巡して戻り試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 巴工業<6309>(東1)は遠心分離機械や化学工業薬品を主力としている。17年10月期第1四半期営業減益で通期予想に対する進捗率は低水準の形だが、第2四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造であり挽回が期待される。株価は第1四半期業績の発表後、昨年来高値圏から反落したが、低PBRも見直し材料であり、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開が期待される。

■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開

 遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱として、中国・深圳ではコンパウンド加工事業も展開している。16年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業が26%、化学工業製品販売事業が74%、地域別売上構成比は日本が82%、アジアが14%、その他が5%である。

 15年12月にはタイにおける商社活動を目的として、100%出資子会社TOMOE Trading(Thailand)を設立した。

■売上総利益率は改善基調

 四半期別の業績推移を見ると、15年10月期は売上高が第1四半期95億72百万円、第2四半期105億14百万円、第3四半期88億37百万円、第4四半期104億31百万円、営業利益が2億87百万円、6億47百万円、2億54百万円の赤字、7億07百万円で、16年10月期は売上高が89億12百万円、109億35百万円、85億26百万円、108億07百万円、営業利益が1億09百万円、8億09百万円、1億73百万円、8億79百万円だった。機械製造販売事業は設備投資関連のため、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 16年10月期連結業績は、15年10月期比0.4%減収、42.0%営業増益、4.5%経常増益、5.8%最終減益だった。海外向け機械販売や香港拠点における樹脂販売などの伸び悩みで売上高は計画を下回ったが、化学工業製品販売事業の収益改善が牽引して営業利益は計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同5.9%増加し、売上総利益率は21.1%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同1.9%減少し、販管費比率は16.1%で同0.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益2億57百万円、前期は差損2億23百万円)した。ROEは3.8%で同0.4ポイント低下、自己資本比率は72.4%で同1.0ポイント低下した。配当は前々期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)とした。配当性向は46.3%である。

 セグメント別動向を見ると、機械製造販売事業は売上高が同7.9%増の101億78百万円、営業利益が同45.5%増の4億03百万円だった。売上面では国内官需向けが全般的に好調だった。国内民需向け機械、装置・工事、海外向け装置・工事も増加した。利益面では、一部在庫の減損処理で売上総利益率が前々期並みだったが、販管費が減少して大幅営業増益だった。

 化学工業製品販売事業は売上高が同3.1%減の290億02百万円、営業利益が同41.1%増の15億66百万円だった。電子材料分野のワイヤ・ボンディング装置と半導体製造向け搬送用トレイ、国内合成樹脂分野、および香港拠点の樹脂・製品などが低調で減収だが、利益面では工業材料分野における収益性の高い商材、および機能材料分野の伸長が寄与して大幅営業増益だった。

■17年10月期第1四半期は営業減益だが計画水準

 3月1日発表した今期(17年10月期)第1四半期(11月~1月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%減の84億87百万円、営業利益が同28.6%減の77百万円、経常利益が同47.2%減の59百万円、純利益が1百万円の赤字(前年同期は29百万円の黒字)だった。

 機械製造販売事業の減収を主因に営業減益だったが、概ね計画水準のようだ。売上総利益は同2.7%増加し、売上総利益率は19.7%で同1.4ポイント上昇した。販管費は同4.9%増加し、販管費比率は18.8%で同1.7ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が増加(前期10百万円、今期26百万円)した。

 セグメント別動向を見ると、機械製造販売事業は売上高が同6.8%減の12億18百万円で営業利益が3億10百万円の赤字(前年同期は2億77百万円の赤字)だった。国内官需向け部品・修理が繰り延べの等の影響を受け、中国向け砥粒回収装置の販売が無かった。

 化学工業製品販売事業は売上高が同4.4%減の72億68百万円で営業利益が同0.6%増の3億88百万円だった。売上面では工業材料分野の住宅・建設用途向け材料、電子材料分野の半導体部品搬送用部材が堅調に推移し、深圳コンバウンド事業も回復傾向だが、国内合成樹脂分野の樹脂材料、化成品分野の紫外線硬化樹脂や難燃材、機能材料分野の半導体製造装置向けセラミックス製品が減少した。利益面では収益性の良い商材の構成比率が高い工業材料分野の販売の伸びが寄与した。

■17年10月期は営業減益予想だが上振れ余地

 今期(17年10月期)通期の連結業績予想は前回予想(12月7日公表)を据え置いて、売上高が前期(16年10月期)比6.4%増の417億円、営業利益が同9.1%減の17億90百万円、経常利益が同横ばいの17億80百万円、純利益が同21.8%増の11億80百万円としている。営業外での為替差損および特別損益を見込んでいない。配当予想は前期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)で予想配当性向は38.1%となる。

 セグメント別には、機械製造販売事業の売上高が同7.1%増の109億円、営業利益が同0.4%増の4億百05万円としている。売上面では、国内官需向けで大型案件を見込めないが、中国やアジアなどの海外向けと国内民需向けが好調に推移する。利益面では販管費の増加で営業利益が小幅増にとどまる見込みとしている。

 また化学工業製品販売事業は、売上高が同6.2%増の308億円、営業利益が同11.6%減の13億85百万円としている。国内の機能材料分野の半導体製造用装置や香港拠点の樹脂・製品の販売増加、および中国・深圳コンパウンド事業の業績回復を見込むが、国内の販管費増加で減益見込みとしている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が20.4%、営業利益が4.3%、経常利益が3.3%である。低水準の形だが、機械製造販売事業は設備投資関連のため、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。第2四半期以降の挽回が期待される。

■中期経営計画の16年10月期目標未達だが、次期計画での収益改善策期待

 13年12月策定の中期経営計画「Target2016」では、経営目標値として16年10月期売上高475億円、営業利益25億80百万円、経常利益26億円、純利益16億円、ROE6.3%、ROA4.4%を掲げていた。

 油井関連市況の悪化や中国の景気減速など、事業環境の変化で目標未達となったが、次期中期経営計画では収益改善策を期待したい。

■株主優待制度は10月末に実施、ワインを贈呈

 株主優待制度については、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容はワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。

■株価は目先的売りが一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると、第1四半期業績の発表後、昨年来高値圏1900円台から反落した。ただし1800円近辺で下げ渋る動きだ。目先的な売りが一巡したようだ。

 3月17日の終値1814円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS118円25銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2522円81銭で算出)は0.7倍近辺である。なお時価総額は約191億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。0.7倍近辺の低PBRも見直し材料であり、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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