【どう見るこの相場】重要イベント通過後も盛り上がりなく、様子見ムード継続

どう見るこの相場

 今週3月21日~24日の株式市場は、前週半ばの米FOMC(連邦公開市場委員会)とオランダ議会選挙という重要イベントを波乱なく通過したものの、その後の為替の動きがドル安・円高方向に傾いているため盛り上がることなく推移し、引き続き様子見ムードの強い展開が想定される。

 前週3月14日~15日開催の米FOMCでは、市場の予想どおり0.25ポイントの追加利上げを決定した。そして15日のオランダ議会選挙では極右政党が第1党に届かず、結果的には重要イベントを波乱なく通過した形となった。また17日~18日開催のG20財務相・中央銀行総裁会議も波乱なく通過した。

 ただし市場における米FRB(連邦準備制度理事会)の利上げペース観測が今年4回から3回に後退し、米10年債利回りが低下して為替がドル安・円高方向に傾いたため、日本株にとっては「重要イベント通過によって安心感が広がり」という形にはならず、様子見ムードが継続して上値の重い展開だ。

 今週21日~24日も、3月期末の配当・株主優待制度の権利取りの買いぐらいしか、日本株に対して好材料は見当たらない。一方で日本市場が休場だった20日の米国市場では、為替が1ドル=112円台半ばまでドル安・円高方向に傾いている。また23日予定の国会における証人喚問も政治的リスク要因となる。

 主力株見送り状況が想定される中で、東証2部、JASDAQ、マザーズといった新興市場を中心とする中小型株に対する個別物色が期待されるが、強基調が続いた中小型株についても一旦は調整局面の警戒が必要だろう。

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