【材料で見る株価】東京製綱トルコのイズミット湾横断橋のワイヤロープを納入、今後、米国など世界各国から受注が舞い込む公算

材料でみる株価

東京製綱<5981>(東1・売買単位1000株は)米国つり橋建て替え向けにワイヤロープの需要拡大が期待される。

同社はワイヤロープの最大手メーカーで、つり橋や超高層エレベーター向けが主力となっている。このほか、電力・通信ケーブルなど幅広く活用されているワイヤ(鋼線)や、タイヤの補強に欠かすことが出来ないスチールコード、ワイヤ製品に関連する土木建設機械の販売なども手掛け、事業別の売上高構成比はワイヤロープを主体とした鋼索鋼線事業が40%、スチールコード22%、不動産事業2%、その他13%となっている。

ワイヤロープの製造技術は同社が世界的にもトップクラスにある。このほど、トルコのイズミット湾横断橋に使用されるワイヤロープを同社が納入を開始した。この橋はイズミット湾を南北に結ぶ全長約2907メートルのつり橋で、世界第4位の規模となる。現在、フェリーまたは自動車道で約1時間かかる横断時間はこの橋を利用すると約6分に短縮されことから、その経済的な貢献は大きい。2015年度の完工が予定されている。

さらに今後、米国でのつり橋建て替え向けに同社のワイヤロープの需要が盛り上がる公算が大きい。米国では建設されてから、100年以上経過したつり橋が数多く存在する。耐久年数から判断して、古くなったつり橋の建て替えがこれから、本番を迎えるという。問題はつり橋に使用されるワイヤロープである。米国にはワイヤロープのメーカーが1社もない。このため、同社に需要が舞い込む可能性が高い。ワイヤロープ製造の技術は簡単ではなく、同社の独壇場となるものと期待されている。

同社の今3月期業績は期初予想の前期比15.3%の経常減益、同45.2%の最終減益から、同1.6%の経常増益、同22%の最終減益へ上方修正をした。これは、つり橋向けに加えて超高層ビル向けエレベーター向けワイヤロープ、タイヤ向けスチールコードの需要好調が要因だ。来期以降も経常増益を維持することが見込まれる。

170円~180円どころでシコリ玉が残っており、これを解消するには多少時間が必要かも知れない。信用買い残高が高水準で推移しており、正直に言って需給関係は良くない。ただ、来期以降の増益を期待すれば、下値を大きく割り込む可能性は低いと見ている。業績の向上がハッキリしてくれば、下値に買い物が入り需給関係は改善に向おう。下値をジックリ拾って、50円から60円高を狙っていきたい。

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