【村山貢司の気象&経済歳時記】正確なサクラの開花予想は必須

 2017年は西日本でサクラの開花が遅れ気味である。この春最初にサクラの開花を発表したのは東京都心の3月21日、次いで横浜が25日、他は28日以降である。開花発表から3日後の24日に新宿御苑にサクラの様子を見に行ったところ、御苑入り口はここが日本かと思うくらいに外国人で溢れかえっていた近年花見は、中国や韓国からの観光客に非常に人気があると言われているが、新宿御苑では白人の姿も多く見かけられた。

 24日の時点では御苑内のサクラは早咲きのシダレザクラやヒガンザクラが咲いていたが、肝心のソメイヨシノは一部の木で数輪開いている程度で、情報と違うという不満の声が聞かれた。今やサクラの花見は日本の観光にとって重要なイベントになっており、開花の正確な情報は必須である。

 それ以上に、満開や五分咲きなどサクラの見ごろが何時ごろになるかの予測も必要であろう。気象庁がサクラの開花予想や紅葉の予想を中止し、現在は民間気象会社が競ってサクラや紅葉の予想を発表しているが、大手3社のサクラ開花予想では、山梨県の甲府市の場合、3月26日、30日、4月2日と最大1週間も異なっている。

 日本人なら見ごろになって出かければ良いが、訪日する外国人はどの情報を信用すればよいのだろう月の訪日外国人数は203万6千人で、前年同月比7.6%の増加であったが、増加率が10%以下になったのはおよそ4年ぶりのことである。1月の増加率が24%なので、これは旧正月の時期の影響が大きいとは思うが、訪日外国人が必要とする様々な情報をより正確に発信することが観光立国を目指す日本の責任であろう。(村山貢司=気象予報士・経済評論家)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■北海道大樹町で飛行、安全性と着地精度を実証  ホンダ<7267>(東証プライム)の研究開発部門で…
  2. ■自社で自動運転システムを持たない企業にも施工自動化を提供  日立建機<6305>(東証プライム)…
  3. ■年間約36万人が犠牲に、二輪事故対策が急務  豊田合成<7282>(東証プライム)は6月11日、…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■5月訪日客数が過去最高、6月も好調持続の見込みで市場活況  足元のインバウンド需要は、好調に推移…
  2. ■インバウンド関連株は「トランプ関税」のリーチ圏外で小型割安株特性を発揮  「たかが1%、されど1…
  3. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  4. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  5. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  6. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る