【どう見るこの相場】様子見ムードで膠着感強める可能性、下値の警戒も必要か

どう見るこの相場

 今週4月3日~7日の株式市場は、値ごろ感からの買いや新年度相場入りに伴う需給改善が期待されるが、一方では依然として国内外での政治リスクが継続し、4月下旬から本格化する3月期決算発表も控えている。様子見ムードで膠着感を強める可能性がありそうだ。

 前週3月27日~31日の日本株は、日経平均株価が1万9200円台まで戻す場面があったものの、為替が1ドル=111円台とドル安・円高水準にあり、国内外での政治リスクが警戒されて上値の重い展開だった。3月29日には日経平均株価が前日比14円高となって配当権利落ちを埋めたものの、その後の年度末のドレッシング買いも期待外れとなり、日経平均株価は結局1万9000円台を割り込んで取引を終了することになった。全体としてリスクオフの流れだった。

 今週4月3日~7日は、週初3日の日銀短観、週末7日の米3月雇用統計が注目イベントとなる。日銀短観では大企業製造業の景気判断が2期連続改善すると予想されているが、トランプ米新政権の経済政策に対する不透明感で大幅な改善は期待し難いだろう。米3月雇用統計は強い内容が予想されており、米FRB(連邦準備制度理事会)の利上げペース加速を確信させるだけの数字となるかが注目されるが、発表が週末となるだけに、今週の膠着感を強める一因となる。そして国内外における政治リスクは引き続き警戒される。

 また日経平均株価を日足チャートで見ると、25日移動平均線に続いて75日移動平均線も割り込んだだけに、これを早期に回復しなければ、1万9000円~1万9500円近辺だったモミ合いレンジを1万8000円台に切り下げる展開になりかねない。さらに25日移動平均線が下向きに転じてくれば、上値を切り下げる形となり、1月安値1万8650円が意識されることになる。日銀のETF買いが期待されるが、為替の動き次第では一時的に下値を探る展開にも注意が必要だろう。

 IPO人気も背景として東証2部、JASDAQ、マザーズといった新興市場を中心とする中小型株は比較的堅調な動きだが、最近のIPOの初値には過熱感が強まっている。15年から続いたIPO初値ブームにも、そろそろピークアウトの警戒が必要になりそうだ。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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