【新規上場(IPO)銘柄】オークネットはライブオークション接続開始に期待感高まる

株式市場 IPO 鐘

 オークネット<3964>(東1)は、3月29日に東京証券取引所第一部に上場した。同社は1985年から、オークションビジネスを始めとした情報による事業者間取引を支援している。世界初の中古車TVオークションからその事業をスタートして以来、レーザーディスク、衛星通信、インターネットとつねに先端のメディアを活用したオークションで、新しい情報流通サービスを提供。現在では、中古バイク、切り花、ブランド品、中古PCオークションなど幅広い分野へとサービスの領域を拡げている。

 四輪事業では、成約率の高い高年式・低走行車両の流通に重点を置き、市場シェアの向上に注力、デジタルプロダクツ事業では、海外バイヤーの新規獲得強化による更なるオークション流通の拡大及び中国における中古スマートフォンの下取流通のトライアルを開始している。その他情報流通事業のうち、中古バイク事業は、小売支援サービスの利用促進強化による会員獲得強化、花き(切花・鉢物)事業は、物流サービス強化による流通量の拡大強化、ブランド品事業は、海外バイヤーの新規獲得強化、取扱商材の増加による流通量の拡大に取り組んでいる。

 前2016年12月期業績実績は、売上高199億8300万円(前の期比3.6%増)、営業利益40億4100万円(同3.8%減)、経常利益41億1500万円(同3.5%減)、純利益が21億8300万円(同16.9%増)に着地。

 今17年12月期業績予想は、売上高213億4600万円(前期比6.8%増)、 営業利益40億4400万円(同0.1%増)、経常利益41億1400万円(同横ばい)、純利益が23億0900万円(同5.8%増)を見込む。年間配当予想は無配を予定しているが、配当性向は30%程度を目標にしている。

 株価は、3月29日に公開価格1100円を18.2%上回る1300円で初値を付け、同日高値1319円と買われた後、モミ合っている。上場費用やシステム投資が増加するため、今17年12月期純利益は小幅増益を見込むが、来18年12月期以降は先行費用の負担減などで利益成長が見込まれる。4月3日に同社は荒井商事株式会社(本社:神奈川県平塚市/社長:荒井亮三)との業務提携に基づき、アライ建機オークション(所在地:栃木県小山市/会長:荒井寿一)とライブ中継によるオークション接続を開始すると発表。接続開始は、4月4日(火)を予定しているが、今回の接続開始に伴い、オークネットの四輪ライブ中継会員は、新たな手続きを行うことなく、アライ建機オークションへの参加が可能となり、仕入れの強化、利便性の向上、ビジネスチャンスの拡大につながる見通し。公開価格に接近する場面は中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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